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トランプ米政権、航空機リース禁止など対キューバ制裁を強化

(米国、キューバ)

ニューヨーク発

2019年10月24日

米国商務省は10月18日、国営キューバ航空への航空機リースに関する制裁と、米国の製品・技術・ソフトウエアを含む外国製品がキューバに再輸出される場合の輸出管理規制を強化すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。正式な措置の詳細は10月21日に連邦官報で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしている。

オバマ前政権による緩和措置を次々と無効に

商務省は今回の措置により、キューバ航空に対する商用航空機リース契約の許認可を取り消し、今後も契約は認めないとしている。商務省が管轄する範囲で航空機リースを差し止めることで、キューバ政府にとって重要な外貨獲得源の観光産業を支える航空事業を制限する狙いがある。ただし、キューバ航空による関連リース契約がどれほどあるかなどは公表されておらず、影響は不透明だ。

キューバ政府が関与する航空機リース契約については、もともとキューバ資産管理規則(CACR)や輸出管理規則(EAR)に基づき規制されていた。オバマ政権時の制裁緩和で契約締結が認められたが、今回の措置でそれ以前に戻ったかたちとなる。トランプ政権は対キューバ制裁を段階的に強化しており(2017年11月10日記事参照)、2019年に入ってからも、6月発表の個人渡航の制限強化や船舶・航空機の輸出禁止PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に加え、9月にはキューバ国民向けの米ドル送金の上限を四半期ごと1,000ドルに制限する規制PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を復活するなどの措置を取っている。

EARの厳格化に関しては、米国製の物品(技術・ソフトウエアを含む)などが第三国からキューバに再輸出される際、従来は最終製品価格に占める米国製品の割合が25%を超える場合は事前に米商務省の許可を得る必要があった。今回の変更により、今後はその割合が10%を超えると許可を得なければならなくなる(注)。

ウィルバー・ロス商務長官は今回の措置発表に関し、「キューバ政府に対する、国内外での破壊的な行為を即刻中止すべきとの明確なメッセージ」との声明を出した。これに対して、キューバのミゲル・ディアス・カネル国家評議会議長はツイッター(10月18日)で、「無力で品性を欠いた傲慢(ごうまん)な行為」「われわれは屈服せず、主権国家として対応する」と非難している。

商務省はこれらの措置について、キューバ政府による国内の人権抑圧や、同政府によるベネズエラのマドゥロ政権に対する支援を理由に挙げている。米政権は反米的なマドゥロ政権に対して、石油関連取引をはじめとする制裁措置を発動しており、マドゥロ政権をキューバ政府が支援する限り、米国の対キューバ制裁が緩和される見込みは低い。

(注)デミニマスルールと呼ばれるもので、10%を超える場合に許可を得なければならない。対象の仕向け地はこれまで、イラン、北朝鮮、シリア、スーダンのみだったが、今回の措置でキューバが追加された。原則としてその他の仕向け地は、25%を超える場合に許可が必要となる。ジェトロ貿易・投資相談Q&Aを参照。

(藪恭兵)

(米国、キューバ)

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