食品登録に2年以上、食品医薬品局の対応の遅さを業界団体が主張

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月18日

フィリピンの産業界で指導的立場にあるフィリピン商工会議所(PCCI)は10月4日、保健省食品医薬品局(FDA)に対して、食品の登録申請から承認までに2年以上待たされるケースがあると主張した。

PCCIのアレグリア・リムジョコ会頭は、承認まで長期間待つ企業の多くは小規模零細企業で、チョコレート製品を登録しようとした小企業が2年以上待たされたケースもあるとした上で、「大統領府直轄のお役所仕事排除局(ARTA)のジェレミア・ベルジカ局長に改善を求める申し立てを既に行った」と説明した。

ARTAは7月、行政手続きごとの最長処理日数を定め、違反した職員に罰金や禁錮などの罰則を科すビジネス環境改善法の施行細則(IRR)を発表した(2019年7月25日記事参照)が、リムジョコ会頭は「単純な行政手続きなら申請からワーキングデーで3日以内、複雑な行政手続きは7日以内に処理するという施行細則に違反している」と主張した。

ARTAは9月、FDAと企業の登記手続きなどを管轄する証券取引委員会(SEC)に対して、承認されていない申請のリストを提供するよう指示し、FDAは承認されていない3,125件の新規登録または更新登録の申請案件リストを提出し、過去には最大で1万4,000件の承認待ち案件が存在した時期もあったと説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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