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肥満率がOECDトップに、政府は諮問委員会を設置

(チリ)

サンティアゴ発

2019年10月24日

OECDが10月10日に発表したレポート「The Heavy Burden of Obesity」によると、チリで過体重または肥満(注)の問題を抱える15歳以上の人口割合は全体の74.2%で、米国(71%)やメキシコ(72.5%)を抜き、OECDトップとなった。肥満による寿命の伸縮についても分析されており、チリの場合、健康な人の平均寿命は79.5歳だが、肥満を抱える人は健康な人より3.5年短い76.0歳と発表された。ラスコンデス病院栄養・肥満センターのカミロ・ボサ医師は肥満率増加の要因として、労働時間や通勤時間が増えたことで、終業後にスポーツや屋外で活動する時間が少なくなったことを挙げている。また、サンセバスティアン大学のサムエル・ドゥラン氏も、料理にかけられる時間が減少し、家庭料理から手軽に食べられるファストフードや超加工食品へ食生活が変化したことで肥満人口が増えていると分析している(「エル・メルクリオ」紙10月12日)。

OECDはまた、肥満がその国の経済に悪影響を及ぼすとのデータも発表しており、2020~2050年の間でチリのGDP成長率を平均3.8%減退させると分析している。OECD内で最も影響を受けるとする国はメキシコで5.3%減、最も影響を受けないとする国は日本で1.6%減、OECD全体の平均は3.3%減となっている。肥満による慢性疾患として、糖尿病や高血圧、高コレステロール、心臓病などを挙げており、これらの病気を持つ肥満の人は健康な人に比べ、翌年も雇用される割合が8%低く、また、欠勤するなど生産性が低い割合が3.4%高いと分析している。

チリでは子供の肥満も深刻な問題となっており、世界肥満連盟(World Obesity Federation)によると、2030年までにチリの5~9歳の子供の24.8%が肥満児となることが予想されている。

これらの発表を受けて、政府は10月14日、社会家族開発省を中心として専門家らを招集し、国の肥満に緊急に対処するための諮問委員会を設置した。これにより、新しいイニシアチブとして社会的、経済的、地域的なアプローチで肥満問題と闘うことを目指すとしている。

(注)世界保健機関(WHO)の国際基準に合わせ、体格指数(BMI)25以上~30未満を過体重、30以上を肥満と定義付けている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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