中国都市部のペット市場は18.5%増、若い女性とネットがカギ

(中国)

上海発

2019年09月06日

アジア最大級のペット産業展「第22回Pet Fair Asia」(以下、展示会)が8月21~25日、上海市の新国際博覧中心で開催された。今回は前回より4ホール拡大され、14ホールでの展示となった。展示総面積は18万5,000平方メートル、出展企業は1,591社、出展ブランドは2万を超えた。主催者の発表によると、来場者数は27万人以上で、このうち、業界関係者は約6万7,000人、ペット愛好家は約20万3,000人だった。

展示会の開催に合わせ、ペット向けサービスを提供するプラットフォーム「狗民網」などが「2019中国ペット業界白書」(以下、白書)を発表した。白書によれば、2019年の中国都市部のペット市場規模は前年比18.5%増の2,024億元(約3兆360万円、1元=約15円)に達し、ペット1匹当たりの年間平均消費額は10.9%増の5,561元となった。また、第一財経商業データセンター(CBNData)が発表した「2019ペット消費生態ビッグデータ報告」(以下、ビッグデータ報告)によると、2018年のペットを飼育する世帯数は2013年比で43.9%増の9,978万に達した。

市場の活況を受け、展示会では各社が競うようにさまざまななペット用品を展示した。ペットフードでは、ブルーベリーやリンゴなどフルーツを取り入れたものや、放牧して育った羊の肉を使用した加工品などが展示された。また、オーガニックや高い栄養価をうたったものや、月餅の形をしたアイスクリームなどユニークなものもあった。そのほかにも、マイナスイオンとアロエエキスが含まれたペット用ウェットティッシュや、日本企業による、腸内環境を整えるペット用健康補助食品などの出展があった。

また会場内では、網紅(ワンホン)と呼ばれるネットアイドルを利用して商品をPRする企業もみられた。ビッグデータ報告によると、89%の消費者がペット用品をオンラインで購入しており、網紅によるネット販売を含むオンライン販売の市場規模は前年比約30%増加し、急成長している。さらに、オンライン消費者の内訳をみると、約6割を女性が占めたほか、1990年代生まれの割合が4割を超えた。展示会場でも、若い女性を狙ったインスタ映えするパッケージの商品が多くみられた。

ペットブームの到来により、今後はさらに多様なペット用品やサービスが開発されていくことが予想される。

写真 日本企業の出展ブース(ジェトロ撮影)

日本企業の出展ブース(ジェトロ撮影)

(森本彩、林真彦)

(中国)

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