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欧州自動車工業会、自動車産業強化へEUへの提言を公開

(EU)

ブリュッセル発

2019年09月06日

欧州自動車工業会(ACEA)は9月5日、欧州議会と欧州委員会がそれぞれ7月と11月に新たな任期となることを見据え、EUの政策策定者に向けて、今後5年間の欧州自動車産業の立場や政策ニーズ、将来展望を示すマニフェストPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。デジタル化や脱炭素化、自動運転の導入など、変革期を迎えた欧州自動車産業が将来にわたってグローバルリーダーシップを維持するための問題意識を新たな欧州議会や欧州委員会と共有するとともに、(1)モビリティー(移動)に関する環境・安全対策、(2)道路輸送のイノベーション推進、(3)消費者への手ごろで多様な選択肢(価格面・環境性能・利用形態など)提供、(4)国際競争力強化についての要望を明らかにしている。

EU新体制に欧州自動車産業の主導性再構築を提言

ACEAは欧州自動車産業をEU全体のGDPの7%以上を稼ぎ出す主要産業と指摘しつつ、同時に以下の厳しい現状認識を示した。

  • 世界経済の基軸が欧州域外、特にアジアにシフトしている
  • 〔電気自動車(EV)、自動運転などの普及に伴う〕新規参入者が既存ビジネスモデルの見直しを迫っている
  • 世界的な貿易環境が急速に不透明感を強めている
  • デジタル化、脱炭素化などを含む新技術の潮流によって、モビリティーの在り方が再定義されつつある
  • (こうした事業環境の変革に伴い)自動車産業の確実性が揺らぎ始めている

こうした厳しい情勢下で、欧州自動車産業界とEU政策当局が連携し、変革期を乗り切ることの必要性も強調。今後の5年間を通じて、EUとして次の4課題に取り組むべきと提言している。

  1. モビリティ-(移動)に関する環境・安全対策:自動車による「温室効果ガス排出ゼロ」「死亡事故ゼロ」を目指し、EU基金も活用した急速充電機など燃料補給基盤の整備、ゼロ排出・低排出車(ZLEV)の生産・保守・リサイクルに必要な多様な人材育成、EV向け電池の生産・リサイクルおよび原料調達のための基本戦略の策定、事故データの収集と分析など
  2. 道路輸送におけるイノベーション推進:コネクテッドカー〔情報通信技術(ICT)端末搭載車〕や自動運転の開発・展開の支援〔規制面、輸送と道路インフラを結ぶデジタル通信基盤(V2X)の迅速な整備〕、データ活用型のモビリティー・ビジネスモデルの構築、消費者重視のアプローチの導入など
  3. 消費者への手ごろで多様な選択肢(価格面・環境性能・利用形態など)提供:ZLEV向けインセンティブ導入、多彩な保有形態(カーシェアリングなど)や革新的な物流概念に対応したモビリティー・サービスの構築支援、動力に関する技術的中立性の追究など
  4. 国際競争力強化:自動車産業戦略の策定、国際規格・基準策定におけるEUの主導性発揮、WTOを通じた多角的貿易システムの強化、EU・英国通商協定を含む野心的な2国間貿易交渉の推進、新技術に必要な原材料の調達戦略の確立など

(前田篤穂)

(EU)

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