2020年の大統領選挙を見据え、内閣改造

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年09月17日

コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領は9月4日、内閣改造を行った。2020年10月に実施予定の大統領選挙を見据え、足場を固める狙いとみられる。

新内閣は、留任のアマドゥ・ゴン・クリバリ首相をはじめ、前内閣から5人増えて41人で構成される。このうち36人が留任した。2017年から農業・農村開発相を務めていたママドゥ・クリバリ氏の後任にはコベナン・アジュマニ動物・水産資源相が横滑りした。アダマ・コネ経済財政相は大統領付きの経済・財政担当相に転任し、代わってアダマ・クリバリ経済・財政大臣官房長を経済・財政相に昇格させた。閣僚経験者のガウス・トゥーレ氏は新設された稲作振興相、ムッサ・ドッソ氏は動物・水産資源相として再入閣した。ハメド・バカヨコ国防相は唯一の国務級大臣となった。なお、閣議に参加しない閣外相は、5人から7人に増えた。

ワタラ政権の最大の課題は大統領選挙で勝利することだ。連立政権を構成するコートジボワール民主党(PDCI)が与党連合を離脱し、最大野党イボワリアン人民戦線(FPI)との結束を強めている。政権を継続できるかは、ワタラ大統領が党首を務める共和国主義者連合(RDR)の地盤の北部地方の支持層を堅持し、その他の地方でどこまで支持率を伸ばせるかにかかる。今回の内閣改造では、重要選挙区になると予想される地方の議員や有力者を閣僚に登用し、指導力の発揮や安定的な政権運営を狙ったものとみられる。

ワタラ大統領は政権公約として、2020年までに新興国入りを目標に掲げ、大規模な公共事業の推進、経済活性化、社会開発促進を盛り込んだ。優先課題の経済改革の加速化や若年層の失業対策と雇用創出、農業の近代化、産業の育成・多角化を積極的に実施していく姿勢だ。「包括的な持続的成長」を経済改革の柱に、農産品加工、情報通信技術(ICT)、鉱山開発、エネルギー、観光などの分野を重点育成産業に位置付けている。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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