日本・チリ間のクレジット制度に関するセミナー、チリで初開催

(チリ、日本)

サンティアゴ発

2019年09月13日

チリ・サンティアゴ市内のインターコンチネンタル・ホテルズ&リゾーツで8月29日、日本の環境省とチリ政府、地球環境センター(GEC)、日本工営主催による2国間クレジット制度(JCM、注)の実施に関するセミナーがチリで初めて開催され、約80の企業・団体が参加した。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーでは、環境省とGECがJCMの進捗状況やマッチングプラットフォームについて紹介し、日本工営やAGCなどの代表らが登壇して、各社のJCMの取り組みやチリ市場の可能性についてプレゼンテーションを行った。セミナー後半では、JCMに興味を示すチリ企業とプレゼンテーションを行った日本企業らによるビジネスマッチングの時間が設けられた。

写真 ビジネスマッチングの様子(ジェトロ撮影)

ビジネスマッチングの様子(ジェトロ撮影)

日本工営は自社が手掛けた事例として、メキシコのテキーラ製造工場で既存の炉筒煙管ボイラーを高効率型小型貫流ボイラーへ置き換えた案件を紹介した。AGCは高反射率ソーラーミラーを使った集光型太陽熱発電(CSP)のプレゼンテーションを行い、チリ北部の砂漠地域にCSPに適した気候条件が整っており、現状では他国に比べて同分野の開発が進んでいないため、非常に魅力的な市場だと説明した。

チリは2015年5月に日本とのJCMに関する2国間文書に署名し、現在はパートナー国となっている。同年にフランスで行われた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、安倍晋三首相はJCMを政府全体で推進すると演説している。一方で、チリ政府は国のエネルギー目標として2040年までに全ての石炭火力発電所を廃止し、再生可能エネルギーに置き換えると発表している。また、2019年はCOP25の開催国として、温室効果ガス排出削減への取り組みを強化している。

セミナーの概要はGECウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照のこと。

(注)2国間クレジット制度〔Joint Crediting Mechanism(JCM)〕とは、途上国への優れた低炭素技術などの普及を通じ、地球規模の温暖化対策に貢献するとともに、日本からの温室効果ガス排出削減などへの貢献を適切に評価し、日本の削減目標の達成に活用すること(外務省ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(岡戸美澪)

(チリ、日本)

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