2019年2回目の総選挙、中道連合の「青と白」が第1党に

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年09月20日

イスラエルで第22回議会総選挙が9月17日に実施された。定数は120(一院制)、全国1区の比例代表制(拘束名簿式)。19日午後7時(現地時間)現在の開票率は99%で、最多得票をあげている中道連合の「青と白」が第1党となることが確実となった。ベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる右派「リクード」と「青と白」の接戦だったが、「青と白」のベニー・ガンツ党首は勝利宣言を行い、連立協議に向け意欲を示した。

両党の得票数と得票率は以下のとおり(中央選挙委員会発表:9月19日午後7時6分時点)。

  • 「青と白」:113万6,180票(25.94%)
  • 「リクード」:110万1,482票(25.15%)

得票数に応じて、「青と白」が33議席、「リクード」が31議席を獲得する見込み(「ハアレツ」紙電子版9月19日)。

その他の政党では、「統一リスト(アラブ連合)」が45万7,721票を獲得して第3党に躍進、アビグドール・リーベルマン前国防相が率いる「イスラエル・ベイテイヌ(わが家イスラエル)」も30万5,570票を獲得し、支持を伸ばした。リーベルマン党首は超正統派の徴兵免除廃止を主張している。

過半数を確保する政党がないため、連立政権の樹立に向けて政党間で協議が開始されるが、連立合意が形成されても、そのタイミングは11月上旬になる可能性がある。9月18日夕には、国連総会へのネタニヤフ首相の出席予定がキャンセルされた。ネタニヤフ首相を支持する右派政党、宗教政党の獲得議席が過半数の61に届かず、19日にネタニヤフ首相は「青と白」のガンツ氏に大連立の協議を呼び掛けた。

4月9日に行われた前回の総選挙では、議席を得た政党11党の代表とルーベン・リブリン大統領が面談し、連立に向けた意見を聴取した。「リクード」と「青と白」が35議席ずつを獲得して第1党となったものの、面談の結果を受け、大統領は4月17日にネタニヤフ氏に組閣を指示した。同氏は「リクード」を中心に、連立政権樹立について他の右派勢力と協議したものの、大統領の要請から42日間(28日間+延長14日間)の期限までに組閣できず、5月下旬に議会が解散となった(2019年5月31日記事参照)。今回の総選挙でも、連立協議が難航する可能性が指摘されている。

(余田知弘)

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