中国人民銀行、預金準備率を9月16日から0.5ポイント引き下げ

(中国)

北京発

2019年09月17日

中国人民銀行(中央銀行)は、実体経済の発展と資金調達コストの低減を支援するため、9月16日から金融機関の預金準備率を0.5ポイント引き下げた(財務、金融リース、自動車金融に携わる企業は対象外)。

さらに、零細企業および民間企業への支援を促進するため、省級の行政区域内だけで経営する都市商業銀行に対しては、預金準備率を10月15日と11月15日にそれぞれ0.5ポイントずつ、合計で1.0ポイント引き下げる。

今回の措置で、計9,000億元(約13兆5,000億円、1元=約15円)の流動性が市場に供給されることになり、そのうち、対象を限定した資金供給が1,000億元となる。人民銀行によると、今回措置によって銀行の資金コストが年間約150億元軽減され、貸し出し時の実質金利が引き下げられる効果があるとしている。なお、財務、金融リース、自動車金融に携わる企業の法定預金準備率は6.0%と、既に金融機関の中で最も低いため、今回の預金準備率引き下げの対象には含まれていない。

人民銀行の担当者は「今回の預金準備率引き下げは9月中旬の納税時期に対応したもので、対象を限定し2回に分けて行う引き下げは、妥当で秩序ある資金供給に役立つ」と説明した。また、「今回の預金準備率引き下げは金融緩和策の大幅強化ではなく、従来の穏健な金融政策に変更は一切ない」と強調した。

(趙薇)

(中国)

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