大連市で第2回日中イノベーションセミナーを開催

(中国)

大連発

2019年09月13日

ジェトロは9月4日、大連市創新創業創投サービスセンターとの共催で「2019年度第2回日中イノベーションセミナー」を開催した(第1回は2019年4月19日記事参照)。「超快適社会・スマート社会」の実現に向け、人工知能(AI)技術を活用したヘルスケアやライフサイエンス、人間科学などをテーマに、大連、瀋陽などの中国企業12社と日本企業1社が講演した。イノベーションに関心を持つ日系企業関係者など約90人が参加し、講演者らと商談も行った。

中国企業の事例紹介では、AIやヘルスケア・介護分野に応用した各種の製品やサービスとして、(1)AI作曲・音声合成などの技術を駆使した音楽治癒システム、(2)病院や保険会社で利用される心血管疾患のデータ集計・解析プラットフォーム、(3)コミュニティーや介護施設と業務提携し、アルツハイマー型認知症のデータ収集・解析・臨床応用などを行う認知障害ビッグデータセンター、(4)ビッグデータによる集計・分析を活用した治療予約、遠隔医療、在宅医療といった医療クラウドサービスなどがあった。

日本企業の講演では、日本のヘルスケア市場の現状と自社製品の紹介があった。この企業はスポーツや日常生活のストレスによる疲労の回復を助ける専用衣類を提供しており、講演終了後は製品の着用を希望する多くの参加者が同社ブース前に集まった。

参加した日系企業からは、「ヘルスケア関連企業の有益な情報が収集できた。自動車へ応用できる可能性を持つ会社もあった」「中国のスタートアップ企業の技術力が想像以上に高く、日系企業とのコラボレーションの可能性を感じた」などの声が聞かれた。

大連市は7月30日に「大連市次世代人工知能(AI)発展計画」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。計画では、ディープラーニング、画像認識・自然言語処理、無人システムなどの分野を対象に、大連理工大学、大連海事大学などの人材・研究室とも連携しながら、AI技術の産業化を推進する。2020年までに、AI技術を社会課題解決の新しいツールとして根付かせ、AI産業を大連市の新しい経済成長の牽引役とすることを目指す。

写真 中国企業による講演(ジェトロ撮影)

中国企業による講演(ジェトロ撮影)

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会の様子(ジェトロ撮影)

(李莉)

(中国)

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