トヨタ、ロシアの技術系大学と連携しエンジニア教育を開始

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2019年09月18日

トヨタ自動車ロシアは、サンクトペテルブルク総合技術大学とエンジニア教育に関する協定を8月28日に締結したと発表した。同社は同大学の学生に対して教育を行い、実務的なエンジニアの育成を進める。

写真 協定のセレモニーの様子(トヨタ自動車ロシア提供)

協定のセレモニーの様子(トヨタ自動車ロシア提供)

本協定に基づき、トヨタ自動車ロシアは同大学で約300人の学生に対し、同社の生産システムなどに関する講義を9月から開始。好成績を残した学生はサンクトペテルブルクに所在する同社工場で9カ月間、生産システムや生産プロセス改善に関して経験豊富なエンジニアや工場長による指導を受けることができる。さらに、そこでも高い評価を得た学生には、トヨタ自動車ロシアでの勤務の道が開かれる。

トヨタが大学と連携して、学生へのエンジニア教育を行う取り組みはロシアでは初めて。同様の取り組みは、世界的にみても日本、米国、中国、タイに続いて、ロシアが5カ国目となるという。トヨタ自動車ヨーロッパの西本勝利シニアバイスプレジデントは「当社の任務は、学生に理論的知識を教えるだけでなく、ロシアの労働生産性向上に貢献するエンジニアを育成することだ」と述べ、ロシアの産業界への貢献に意欲を示した。

トヨタ自動車ロシアの石田雅資エグゼクティブバイスプレジデントはジェトロのインタビューに対し、同大学との連携を決めた理由として、a.優秀な同大学の卒業生が自社に在籍していること、b.川崎重工業のロボットセンターを有し(2019年7月26日記事参照)、日系企業との連携に前向きなこと、c.トヨタ自動車ロシアが製造拠点を置くサンクトペテルブルクの大学であることを挙げ、「次世代の優秀なエンジニアの人財育成プログラムを実施するには同大学との連携が最適と判断した」と話す。

(一瀬友太)

(ロシア)

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