湖北省、「一芯両帯三区」産業地図を発表

(中国)

武漢発

2019年09月18日

湖北省政府は9月3日、湖北省内の工業分布を示した「湖北省『一芯両帯三区』産業分布地図外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、産業地図)を発表した。

産業地図は、(1)同省内の「一芯両帯三区」(1つの中心、2つのベルト、3つの地区)の産業構造全体図、(2)十大重点産業の分布図、(3)100社の産業クラスター分布図の3つから構成される。

  1. 「一芯両帯三区」の産業構造全体図のうち、「一芯」(1つの中心)とは、集積回路(IC)に代表されるハイテク技術産業や戦略的新興産業、ハイエンド成長型産業などの世界レベルの産業クラスターを表し、武漢市や襄陽市、宜昌市に包括的国家産業イノベーションセンターを構築するとしている。「両帯」(2つのベルト)とは、長江や漢江沿いに位置する武漢市や孝感市、随州市、荊門市、襄陽市、十堰市を中心とした製造業高品質発展ベルト、および長江のグリーン(環境に優しい)経済とイノベーションが主導する経済ベルトを示す。「三区」(3つの地区)は、湖北省西部グリーン発展モデル区、江漢平野振興発展モデル区、湖北省東部経済転換発展モデル区の3地区を指し、同3地区では地域間連携と関連産業の集積を行うとしている。
  2. 「十大重点産業分布図」は、IC、地理空間情報、次世代情報技術、スマート製造、自動車、デジタル、バイオ、健康養老、新エネルギー・新素材、航空宇宙の十大産業における主要企業の分布や産業チェーンの状況などを示している。
  3. 「100社産業クラスター分布図」では、省内の重点産業クラスターを産業別に分類し、省内の産業集積状況や産業チェーンの地理的分布を示している。

湖北省経済・情報化庁の担当者は、産業地図を作成した目的について「省内各地の産業チェーンなどを明らかにし、地域間の連携や各都市で段階の異なる発展を促進することで、省内の産業全体の質の高い発展に向けた推進力となる」と述べた(「湖北日報」9月4日)。

武漢市では一芯両帯三区を踏まえた行動計画を発表

「一芯両帯三区」の中核となる武漢市では、省内の他都市に先駆けて産業クラスターを強化する動きがある。武漢市政府は2019年7月、「武漢市工業デジタル化、ネットワーク化、スマート化の促進に関する行動計画(2019-2021年)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、計画)の意見徴収稿を公表した。計画では、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)といった分野で関連産業の産業チェーンを形成し、工業分野でのデジタル化、ネットワーク化、スマート化を全国トップレベルに引き上げ、2021年までに工業生産額を6,000億元(約9兆円、1元=約15円)規模に成長させるといった目標が示されている(表参照)。

表 計画(意見徴収稿)の概要

(片小田廣大)

(中国)

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