第三国市場協力の代表的事例を発表

(中国)

北京発

2019年09月13日

中国国家発展改革委員会は9月4日、第三国市場協力を進める企業の取り組みの参考となるよう、「第三国市場協力に関するガイドラインと事例外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。

この文書では、中国企業と外国企業が共同で第三国市場において経済協力を行い、第三国の産業発展やインフラの整備水準向上、民生の改善などを実現することにより、3国間の協力が「1+1+1=3」以上の効果を実現できるとした。

また、日本など14カ国(注)と第三国市場協力に関する覚書(MOU)などを締結したことを記すとともに、協力の事例を5類型に分類し、それぞれ代表的なプロジェクトを紹介している。

  1. 「製品・サービスにおける協力」では、中国企業と外国企業が設備調達や認証許可、法律ビジネスコンサルティングなどの領域で協力し、共同で第三国市場の顧客にトータルソリューションを提案する案件として、中国通用技術と日本企業、米国企業によるインドネシアでの石炭火力発電プロジェクトなど。
  2. 「エンジニアリングにおける協力」では、設計・調達・建設(EPC)、請負、共同入札などの方式により共同で第三国市場において展開するプロジェクトとして、ドバイの太陽光発電など。
  3. 「投資における協力」では、合併・買収、合弁、出資などの方式により外国企業と共同で第三国市場に投資する事例として、招商局集団がフランスの港湾運営会社への出資を通じてギリシャをはじめとする港湾に投資したプロジェクトなど。日本企業らが参画するロシアのヤマルLNGプロジェクトも同類型に含まれている。
  4. 「産業と金融の結合」では、中国と外国の金融機関がシンジケートローン(協調融資)、共同融資、転貸、株式投資などの方式により第三国市場での協力を行うことで、企業の資金調達チャネルを拡大し、金融機関のリスクを分散させることができるとした。事例として、中国輸出入銀行と日本の国際協力銀行(JBIC)、中国銀行と国際金融公社(IFC)など金融機関間の協力案件を挙げた。
  5. 「戦略的な協力」では、第三国市場で研究開発、製造、エンジニアリング、資金、人材など多方面での協力を行い、リソースの共有や相互補完を実現する事例として、中国機械工程と米国のゼネラル・エレクトリック(GE)の戦略的協力など。

(注)日本以外には、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、イタリア、オランダ、ポルトガル、韓国、シンガポール、スペイン、スイス、英国が挙げられている。

(小宮昇平)

(中国)

ビジネス短信 ad91c409fcc91e2b