上海ディズニーランドが園内への食品持ち込みを解禁、カップラーメンは引き続き禁止

(中国)

広州発

2019年09月20日

上海ディズニーリゾート(以下、ディズニー)は9月6日、上海ディズニーランドの入園規則を改定し、園内への「自身が利用する食品・飲料」の持ち込みを許可すると発表した。加熱、再加熱、加工、冷蔵、保温が必要な食品および、においの強い食品、アルコール飲料、缶・ガラス容器の持ち込みは引き続き禁止される。なお、東京ディズニーリゾートでは、子供用おやつや、ペットボトル・水筒などは園内に持ち込み可能だが、その他の食品の持ち込みは食事に制限のある場合を除き、禁止されている。

改定のきっかけは、上海市内の大学生が3月に、食品の持ち込み禁止および入園時の手荷物内検査を、消費者の権利およびプライバシーの侵害として提訴したことによる。訴訟は、上海中級人民法院による終審で、民事訴訟にはなじまないとして受理されなかったが、その後、インターネット上で騒動が広まったことで問題が再燃した。

ディズニー側は8月に「食品・飲料に関する規定は、中国内の多くのテーマパークおよびアジアの他のディズニーランドと一致するものだ」との声明を出したが、ディズニー側の措置に対し、「人民日報」など政府系メディアが批判的な論調を発表するなど、圧力が高まっていた。

手荷物内検査については、X線検査の導入を進めるとしながらも、引き続き実施するとしている。

丸ごとのスイカを持ち込む入園者も

新規定で持ち込みが禁止される食品として、カップラーメンとドリアンが例示されている。そのほか、ディズニー側の説明では、丸ごとのスイカ、臭豆腐(豆腐を発酵させたもの)などが挙げられたと報じられている(「人民日報」9月11日)。

中国では、駅・空港などの公共施設や観光地などで、利用者向けに熱い湯が提供されることが多く、カップラーメンを持ち込んで飲食する利用者が多い。また、丸ごとのスイカと果物ナイフを持ち込もうとする入園者の様子がネット上で広まるなど、食品持ち込みが園内の雰囲気に与える影響を心配する声も聞かれていた。

(河野円洋)

(中国)

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