兵庫県とハバロフスク地方、医療分野の交流含む共同声明に署名
(ロシア、兵庫)
モスクワ発
2019年09月02日
兵庫県はロシア・ハバロフスク地方との友好提携50周年を記念して、8月19~22日、ハバロフスクとウラジオストクに、井戸敏三知事を代表とする総勢約70人のミッションを派遣した。ミッションは知事代表団、県議会訪問団、ジェトロを含む14社・団体からなる経済ミッション団、県民交流団、町村会で構成された。
井戸知事は8月20日にハバロフスク地方のセルゲイ・フルガル知事と会談し、兵庫県・ハバロフスク地方友好提携50周年記念共同声明にともに署名した。声明では、青少年・文化交流のほか、経済界の相互訪問の拡大、こども病院間での協力を含む医療分野での交流、関西国際空港とハバロフスク間の航空便開設に向けた努力が盛り込まれた。
共同声明に署名した井戸知事(左)とフルガル知事(ハバロフスク地方政府提供)
県関係者によると、フルガル知事は医科大学を卒業、医師の経歴を持つため、医療分野の交流に特に関心を示した。フルガル知事は「ハバロフスク地方は放射線医療に豊富な経験を持ち、移植医療でも大きな計画がある」との声明を発表した(ハバロフスク地方政府発表8月21日)。
井戸知事は、8月26日に兵庫県庁で行われた定例記者会見で「青少年交流や文化交流の継続にとどまらず、経済交流の促進、医療など特定分野における交流促進にも留意して進めていくことで(フルガル知事と)意見が一致した」と述べた。
井戸知事は20日の会談で、兵庫県内の医療施設の視察を勧めたところ、フルガル知事は「必ず訪問する」と強い意欲を示した。井戸知事は日ロ地域交流年に当たる2020~2021年の訪日を要請した。両知事は同日のレセプションにも出席して交流を深めた。フルガル知事はその場でも、2020年または2021年の訪日に言及した。
兵庫県は20日にハバロフスク日本センター内で「ひょうご・神戸経済セミナー」を開催した。井戸知事がハバロフスク行政・企業関係者に県の経済・産業の魅力をアピールし、経済ミッション参加メンバーとハバロフスク地方企業18社・組織が交流した。
井戸知事は8月21日にウラジオストクを訪問、沿海地方政府のベラ・シチェルビナ第1副知事と会談したほか、川崎重工業製ガスタービンが設置される極東電力熱併給発電所や極東連邦大学テクノパークを視察した。
(浅元薫哉)
(ロシア、兵庫)
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