グジャラート州、PM2.5など粒子状物質に特化の排出権取引制度を世界で初めて導入

(インド)

アーメダバード発

2019年09月24日

インド西部グジャラート(GJ)州政府は、9月16日から州南部スーラトの企業155社が大気汚染対策としてPM2.5やPM10などの粒子状物質に特化した排出権取引制度を導入したと発表した(「インディアン・エクスプレス」紙9月18日)。粒子物質に関するこうした制度導入は世界初となる。取引初日の17日は88社間で、約27万8,000ルピー(41万7,000円、1ルピー=約1.5円)相当の排出権が取引されたという。この制度はナレンドラ・モディ首相とビジャイ・ルパニGJ州首相の主導の下、6月5日からスーラトで州政府指定の350社が試験的に導入していた(2019年6月14日記事参照)。

ラジブ・グプタGJ州環境・森林省次官は制度導入について、「排出権取引制度は汚染者負担を原則としているが、自社での排出量削減または市場取引による排出枠の購入が可能となることで、できる限り低コストな方法を選択しつつ、州全体の大気汚染物質の排出を削減することにも寄与する」と話した(「タイムズ・オブ・インディア」紙9月12日)。

環境保護に関わる取り組みとして、アーメダバード市公社(AMC)は、6月5日の世界環境デーから8月末までの約3カ月間で市内に100万本の植樹を行ったほか、生ごみや産業廃棄物などが堆積し、地下水汚染や近隣住民の健康被害などが発生していたピラナ地区のごみ撤去作業を8月から着手するなど、住民の生活の質の向上にも意欲的だ。

環境対策技術などでGJ州に事業展開しようとする日系企業もいることから、今後も州政府の環境関連の取り組みから目が離せない。

(丸崎健仁)

(インド)

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