TICAD7でエチオピアフォーラム開催、伊藤忠商事は繊維事業を強化

(エチオピア、日本)

中東アフリカ課

2019年09月04日

第7回アフリカ開発会議(TICAD7)公式サイドイベントとして、「エチオピア・日本ビジネス&投資フォーラム」が8月30日、横浜で開催された(注)。定員200人の会場には立ち見の聴衆が出るなど、エチオピアに対する関心の高さがうかがえた。

あいさつに立ったジェトロの佐々木伸彦理事長は「2018年に就任したアビィ・アハメド首相に期待している。日本はエチオピアの産業政策立案に協力しており、また、エチオピア政府は通関の電子化などビジネス環境の改善を加速している」と期待感を表明した。

写真 佐々木ジェトロ理事長のあいさつ(ジェトロ撮影)

佐々木ジェトロ理事長のあいさつ(ジェトロ撮影)

松永大介駐エチオピア大使は「エチオピアへの高い関心が投資に結び付くことを期待する。進出日系企業の抱える問題などがエチオピアの関連省庁にも共有される場があると良い。また、エチオピアは世界遺産に見られる長い歴史があり、観光ツアーなどがさらに増加すれば、外貨獲得に有効ではないか」と述べた。

山田賢司外務大臣政務官も、同国へのさらなる投資に期待を寄せた後、エチオピアのゲドゥ・アンダルガチュ外相が開会あいさつを述べた。外相は工業団地の開発や国営企業の民営化など、ビジネスに取り組みやすい環境を整えていることを強調した。また、日本とは長年にわたる人的交流もあり、エチオピアの発展に貢献しており、今後も協力関係を強化したいと抱負を述べた。

写真 エチオピア外相の開会あいさつ(ジェトロ撮影)

エチオピア外相の開会あいさつ(ジェトロ撮影)

さらに、セラシ・ベケレ水灌漑電力相やイヨブ・タカリン財務副大臣、アンテネ・アレム投資委員会副委員長などが登壇し、ビジネス改革委員会が発足して80以上の取り組みを実行していること、地熱や太陽光発電の投資機会、電源構成比の状況などを紹介した。

写真 プレゼンするエチオピア水灌漑電力相(ジェトロ撮影)

プレゼンするエチオピア水灌漑電力相(ジェトロ撮影)

エチオピアでビジネスに取り組む日本企業として、伊藤忠商事が登壇し、1974年の進出以来、トラックやゴマ、コーヒーなどのビジネスを手掛けたことを説明した。今後はエチオピア製品の付加価値化に取り組みたいとし、さらに投資を進めて繊維事業を強化したいと抱負を述べた。

質疑応答では、日本人参加者から小規模企業も投資できるような制度を整えてほしいとの要望もあり、エチオピアへの進出意欲を感じられる場面が見られた。

(注)主催:在日エチオピア大使館、共催:ジェトロ、国際協力機構(JICA)。

(小松崎宏之)

(エチオピア、日本)

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