欧州議会、次期欧州委員候補者に対する公聴会開催日程を発表

(EU)

ブリュッセル発

2019年09月27日

欧州議会は9月26日、11月1日に発足する次期欧州委員会に関して、欧州委が提案している各委員候補者(2019年9月11日記事参照)の審査のため、9月30日から公聴会を開催すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

欧州議会・本会議での最終決定は10月23日を予定

公聴会は、各欧州委員候補者をその所掌分野に関係する欧州議会常任委員会に招き、10月8日まで合計26セッションPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)開催される予定だ。各セッションは3時間で、冒頭の各候補者による15分間の自己紹介・方針説明に続いて、各会派の出席議員との25問の質疑応答(1問当たりの質問時間は1分で回答時間は3分)を行う。

次期欧州委員人事案における新設ポストである・上級副委員長は広範な所掌を担うため、その公聴会には所掌分野が異なる複数の委員会や関連委員会が参加することになる。例えば、マルグレーテ・ベスタエアー候補は、産業・研究・エネルギー委員会(ITRE)、域内市場・消費者保護委員会(IMCO)、経済・通貨委員会(ECON)、法務委員会(JURI)、に対応予定だ。他方、フィル・ホーガン委員(通商担当)候補は、国際貿易委員会(INTA)のみに対応する。

公聴会の後に、各常任委員会委員長と委員会内の各会派代表者は順次、候補者を評価するための面談を行う。評価完了後24時間以内に、各会派代表者(複数人)は合意を形成して、当該候補者についての推薦状を同議会の常任委員会委員長会議に提出するが、各会派代表者の意見が割れた場合、推薦には各委員会構成員の3分の2以上の支持が必要となる。

その後、10月15日に開催される常任委員会委員長会議で、公聴会の結果を含めて最終審査を行い、同会議としての結論を議長・会派長会議に報告。これを受けて、議長・会派長会議は審査結果の公表について了承する見通しだ。

11月から新たな欧州委を率いるウルズラ・フォン・デア・ライエン次期委員長は、欧州議会・公聴会の結論を踏まえて、最終人事案を10月23日に欧州議会・本会議に提案。同本会議での審議の後、欧州議員の少なくとも20分の1以上の支持に基づいて、本会議としての同人事案承認を決議するための動議を提出。ここで本会議の過半数の承認を得られれば、EU理事会の承認を得て、欧州委員の任命が決定する運びだ。

(前田篤穂)

(EU)

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