中国がアルゼンチン産大豆油かすの輸入を許可

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2019年09月18日

アルゼンチン農牧水産省は9月11日、中国向けの大豆油かす(大豆ミール)の輸出を可能とする協定を中国政府と正式に締結し、20年間の交渉を経て歴史的な合意に至ったと発表した。ルイス・ミゲル・エチェベレ農牧水産相、ホルヘ・フォリー外務・宗務相、リカルド・ネグリ国家農畜食料衛生品質管理機構局長、中国側の代表として駐アルゼンチン中国大使らが署名した。

ロサリオ穀物取引所(BCR)によると、アルゼンチンは世界最大の大豆ミール輸出国だ。2018年には輸出量1,691万トン、金額では63億7,807万ドル(表参照)を記録し、アルゼンチン政府は2019年には2,600万トンの輸出を達成すると見込んでいる。現在、主な輸出先はベトナム、インドネシアが中心で、アルジェリア、イタリア、ポーランドなどが続く。

表 アルゼンチンの大豆油かす輸出の推移(主要輸出先国別、金額・数量)

今回の合意によって、中国向け大豆ミール輸出は500万トン、約16億ドルが見込まれると産業界は意気込む。アルゼンチン国内の輸出者は、米中貿易摩擦を受けて中国側が輸入先の選択肢を広げていることから、今後もアルゼンチンからの対中国輸出は拡大していくと期待する。アルゼンチン油産業会議所と穀物輸出センター(CIARA-CEC)によると、圧砕工場の承認を得るなどの手続きを終えてから輸出が開始されるため、輸出開始は約5カ月後になると説明している。

エチェベレ農牧水産相は「アルゼンチンにとって、中国はEUに次ぐ重要な貿易相手国で、深い関係を築き上げることができた」と述べ、2国間では過去4年間で牛肉、羊肉、豚肉、大豆油、サクランボ、かんきつ類、ブルーベリー、蜂蜜なども輸出が可能となったと説明した。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、中国)

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