ヤンゴンで大型博覧会、米中貿易摩擦でミャンマー製衣料に高い関心

(ミャンマー)

アジア大洋州課

2019年09月26日

ヤンゴンのフォーチュンプラザで9月20~22日、ミャンマー連邦共和国商工会議所連合会(UMFCCI)の創立100周年を記念する国際博覧会が開催された。ミャンマーの地場企業のほか、日本や中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ、オランダ、ドイツの企業など235社・団体が出展した。

出展業種を問わない総合展示会だったが、ミャンマー企業は主に農産品や食品、宝石などの地場産品を海外から視察に来たバイヤーなどに売り込んだ。中でもバイヤーからの関心を引いたのは、衣料品などの縫製品だ。

写真 展示された日本向け衣料品(ジェトロ撮影)

展示された日本向け衣料品(ジェトロ撮影)

従前からチャイナ・プラスワンの動きはあったが、進出日系縫製業A社によると、「米中貿易摩擦の影響で、ミャンマー製衣料品に対する米国からの調達ニーズが高く、中国メーカーがミャンマーへ生産移管する動きが顕著となっている」という。米国側の貿易統計を見ると、2019年上半期のミャンマーからの輸入額は前年同期比67.5%増の3億3,300万ドルとなっており、衣料品は49.6%増の1億500万ドルに増えている。

ミャンマーでは、既存の縫製工場の拡張投資が相次いでいる上、こうした中国系衣料メーカーなどによる新規工場の設立も増えているため、特に縫製工場の経験者などの人材は取り合いの様相を呈している。

福岡市がインフラ技術を売り込む

外国企業の出展では、ミャンマーの内需市場を狙った展示者が多かった。ジェトロと国際協力機構(JICA)は共同でジャパンブースを設置し、スズキ・ミャンマー・モーターの「エルティガ」、ミャンマー・ヤクルトの乳酸菌飲料、エースコック・ミャンマーの即席めんなどを展示した。試食コーナーは、来場したミャンマー人から好評を得ていた。

写真 ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

ジャパンブースの様子(ジェトロ撮影)

福岡市も市内の企業とともに出展した。福岡市はヤンゴン市内の水道整備を支援したことをきっかけに、2016年からヤンゴン市と姉妹都市を締結している。担当者は「福岡市の企業が持つ高水準のインフラ関連技術をミャンマー政府や自治体にアピールしたい」と意気込んでいた。

日本以外では、韓国の現代自動車が大型のブースを設置し、小型クロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)の「ツーソン(Tucson)」などを展示して存在感を見せた。同社はパートナーを通じて、2019年に入ってから現代車のセミノックダウン生産を開始している。

写真 現代自動車の展示(ジェトロ撮影)

現代自動車の展示(ジェトロ撮影)

(北見創)

(ミャンマー)

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