フィッチ、2019年経済成長率を6.1%、2020年と2021年は6.3%と予測

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月20日

格付け会社のフィッチ・レーティングスは9月10日、2019年のフィリピンの経済成長率予測を6.1%、2020年と2021年を6.3%とする報告書を発表した。

フィッチは、2019年度の国家予算(暦年ベース)の成立が3カ月半遅れたことや世界経済の減速が、上半期(1~6月)の経済成長率が5.5%と政府の目標(6~7%)を下回ったことにつながったとした。その上で、下半期(7~12月)にフィリピンの経済は持ち直し、通年の経済成長率は東南アジア諸国でもトップレベルの6.1%に達するとした。また、2020年と2021年はさらなる世界経済の減速や米中貿易摩擦の激化が見込まれるとしながらも、フィリピンは6.3%程度の経済成長率になると予測した。

また、消費者物価指数(CPI)上昇率が2018年8月に、2009年3月以来約9年半ぶりに6%台を記録し、2018年通年では政府目標(2~4%)を上回る5.2%となったものの、中央銀行(BSP)が政策金利決定会合において5会合連続で利上げを実施するなど、累計で1.75ポイントの利上げを実施したことがインフレの過熱リスクを抑えたと評価した上で、2019年通年のCPI上昇率を3.1%と予測した。

なお、フィッチは現在、フィリピンの外貨建て長期国債の信用格付けを投資適格級の下から2番目の「BBB」と評価している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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