フラッグシップの住宅供給政策「Kiwi Build」、一部変更へ

(ニュージーランド)

オークランド発

2019年09月30日

ニュージーランドのミーガン・ウッズ住宅相は9月4日、住宅供給施策「Kiwi Build(キウイ・ビルド)」は非現実的だと認め、10月1日から一部変更することを発表した。

政府は2018年8月、高騰する住宅価格を抑制するため、外国投資法を改正し、外国人の中古住宅の購入を規制している。一方、初めての住宅購入者向けには、オークランドなどの都市で65万ニュージーランド・ドル(約4,420万円、NZドル、1NZドル=約68円)以下、その他地域では50万NZドル以下で住宅を供給するキウイ・ビルド施策を打ち出し、2018年から10年間で10万戸の住宅の建設を目指していた。

初年度は1,000戸を施工・供給し、2次入札でプレハブ住宅メーカーを複数参入させ、年間1万戸の供給に順次移行する予定だった。しかし、9月3日時点で施工数は258戸、入居数は169世帯にとどまっている。

ウッズ住宅相は「安価な住宅を提供することは長期的な課題だ。新しいスキームを提供することで、初めての住宅購入を手助けすることができる」とこの施策の変更に前向きだ。具体的には、10万戸の施工数値目標の廃止や、同施策を通じた住宅購入者には3年間の居住を義務付けていたが、条件によっては1年間の居住に緩和するほか、政府支援の住宅ローンに対する頭金が価格の10%から5%に引き下げられるなどの変更を行う。また、「Rent to Buy」スキーム(事前に設定された賃貸期間後に購入権が得られる賃貸契約)などを通じて、最大4,000世帯を支援することを掲げた。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

ビジネス短信 375a7f87c4ed9ca9