日本アラブ経済フォーラムがエジプトで開催、300人超が出席

(エジプト、日本)

カイロ発

2019年09月24日

エジプトのカイロで9月9日、「日本アラブ経済フォーラム」が開催された(主催:外務省、経済産業省、中東協力センター、ジェトロ、アラブ連盟)。本フォーラムは、成長する中東・北アフリカ、アラブ地域と日本との経済関係強化を目的に、2009年に日本政府とアラブ連盟との間で合意されたスキームだ。アラブ連盟は、カイロに本部を設置している。前回は2016年にモロッコで開催され、発足10年目の今回、3年ぶりに開催された。

開会あいさつや基調講演など、日本とアラブ双方から約20人がスピーチやプレゼンテーションを行った。個別セッションでは、引き続きビジネスの可能性が期待されるインフラ分野に加え、今後さらに成長するとみられるスタートアップやエンターテインメントをテーマとして、各専門家のプレゼンテーションに対して、フロアからは複数の質問やコメントが寄せられた。来場者は日本側だけで100人を超え、全体では300人を大きく上回るイベントとなった。

写真 満席の日本アラブ経済フォーラム会場(ジェトロ撮影)

満席の日本アラブ経済フォーラム会場(ジェトロ撮影)

アラブ連盟のハッサン・アリ事務総長代行はこの10年間を振り返り、課題と提言を示した。フォーラムが発足した2009年当時、日本はアラブ地域(アラブ連盟の21加盟国・地域)と1,060億ドルの貿易があり、世界3位の貿易相手だったが、その後は伸び悩んで5位に低下し、インド、EU、米国、中国が上位にあると指摘した。今後はこのフォーラムを活性化させ、観光、インフラ、デジタル、第4次産業革命などで投資機会をつくっていきたいとした。そのための1つの方法として、アラブ連盟が取りまとめている加盟国の商工会議所や投資家協会などを活用した、日本との連携強化を提案した。また、人材育成面での日本からの支援にも期待を表明した。

写真 個別セッションの様子(ジェトロ撮影)

個別セッションの様子(ジェトロ撮影)

(常味高志)

(エジプト、日本)

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