エンジニアリング・油田サービス大手のテクニップFMC、2020年に会社2分割へ

(米国、フランス、英国)

ヒューストン発

2019年09月06日

エンジニアリングおよび油田サービス大手企業のテクニップFMC(本社:英国ロンドン、米国ヒューストン、フランス:パリ)は8月26日、2020年上半期中に会社を2分割する方針を明らかに外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。テクニップFMCは元々、フランス国立石油研究所(IFP)によって設立されたプラント建設会社テクニップ、および米国のFMC(フード・マシナリー・コーポレーション)の子会社で、海洋石油ガス向けのサブシー(海中)技術大手のFMCテクノロジーズが2017年に経営統合したもの。

分割後の2つの会社名は公表されていないが、当面の間は、存続会社からスピンオフする新設会社はスピンコ(SpinCo)、存続会社はリメインコ(RemainCo)と呼ばれるもようで、両社の概要は以下のとおり紹介されている。

スピンコ(本社:パリ)は、従業員約1万5,000人で、最高経営責任者(CEO)はキャサリン・マッグレガー(現テクニップFMCニューベンチャー部門のプレジデント)。エンジニアリング・建設およびグローバルなエネルギー転換に備える。注力分野は液化天然ガス(LNG)、バイオ燃料、グリーンケミストリー、その他代替エネルギー、ロンドン本社のコンサルタント会社ジェネシスを含む陸上・海洋エネルギーセグメント、LNG・石油化学品などの船舶への積み下ろしシステム、超低温材料の移送、サイバネティクス。

リメインコ(本社:ロンドン、ヒューストン)は、従業員約2万2,000人で、CEOはダグ・フェーデヒート(現テクニップFMC社長兼CEO)。完全統合された技術・サービスの提供および継続的なエネルギー開発を牽引するほか、業界で唯一の統合化された製品によって、顧客の課題解決を図る役割を果たしていく。また、海洋石油・ガス分野では、統合化されたサブシー技術で業界を切り開いた実績を、地表技術に適用していく。

テクニップFMCは「今回の分割は、リメインコおよびスピンコの双方にとって、おのおのの戦略に集中することで柔軟性を高め成長をもたらすだろう」と、分割のメリットを説明している(8月26日付プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

なお、テクニックFMCは直近では、8月にシェルがメキシコ湾で進めるパワーナップ大水深海洋石油開発プロジェクト(2019年8月8日記事参照)の統合的設計・調達・建設・設置(iEPCI)契約を受注したほか、8月27日には同社のブラジル・リオデジャネイロ工場において600基目のサブシー・ツリー(海底の井戸口に取付ける安全装置)の引き渡しを行った。

写真 テクニップFMCのヒューストン本社ビル(ジェトロ撮影)

テクニップFMCのヒューストン本社ビル(ジェトロ撮影)

(中川直人)

(米国、フランス、英国)

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