ダイキン・アメリカ、米アラバマ州工場の拡張を発表

(米国)

アトランタ発

2019年09月19日

ダイキン・アメリカ(本社:ニューヨーク)は9月12日、アラバマ州ディケーター工場の25周年式典の場で、最大1億9,500万ドルを投じて工場を拡張すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。フッ素ポリマー生産能力の増強、関連モノマー生産の拡大、R&D能力の向上などを目指し、2020年1月から拡張工事を開始する。

ダイキンは、売り上げ世界トップクラスの空調事業のほか、1933年にフッ素冷媒の研究などフッ素化学に取り組んで以降、化学事業にも力を注いでいる。フッ素は化合物になると、熱に強い、燃えにくい、他の物質に侵されにくい、滑りやすいといった特性を持ち、自動車の燃料ホース、電線、カーペットの表面加工、タッチパネルのコーティングなど、その用途は多岐にわたる。

米国でフッ素化学事業を展開するため、1991年にフッ素樹脂生産販売会社としてダイキン・アメリカを設立、1994年からアラバマ州ディケーター市の工場で生産を開始した。工場25周年式典で、アラバマ州のグレッグ・キャンフィールド州商務長官は「アラバマ州に早くから進出した日系企業として、ダイキンはわが州で成功を目指す日本企業にとっての道を切り開いてきた」と功績をたたえるとともに、「ダイキンがディケーター工場で繰り返し追加投資を行ってきたことで、アラバマ州でのビジネスが魅力的であることが日本や世界の企業に向け示されてきた」と述べた。

地域貢献活動を積極的に実施

ダイキン・アメリカは、ダイキンフェスティバル(盆踊り大会)やチャリティーゴルフなどのイベントを通じた地域貢献を行っている。地元の高校生が日本のダイキン従業員宅に約10日間滞在するホームステイプログラムには、1994年の開始以来、約300人が参加している。寄付やボランティア、募金による地域貢献活動にも従業員が積極的で、住民との良好な関係を築いている。

ディケーター市のタブ・ボウリング市長は「ダイキンは、工場拡張による新規雇用の創出を通じてだけでなく、25年間にわたり地域にとっての良きパートナーであることで地元に良い影響を与え続けている」と謝意を示した。

(高橋卓也)

(米国)

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