オゾン層破壊物質の輸入規制、9月から時限的に割り当て制度を導入

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年09月03日

ロシア連邦政府は8月27日、オゾン層破壊物質の時限的な輸入規制を導入する連邦政府決定(2019年8月24日付第1089号)を公表した。輸入制限は9月7日から12月31に導入される。

この政府決定は、2014年3月24日付連邦政府決定第228号「オゾン層破壊物資の消費・流通国家規制措置」、オゾン層保護のためのウィーン条約(1985年)、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(1987年)の履行を目的とし、ロシア天然資源環境省が策定したもの。

ロシアでは、オゾン層破壊物質の消費許容量とそれに基づく同物質の生産許容量が毎年算出されており、2019年のロシアにおける排出許容量は2018年11月22日付連邦政府指示第2555-r号で規定されている。

今回の決定は、2019年のオゾン層破壊物質のロシアへの輸入量を時限的に制限する措置で、2019年にロシアに輸入されるオゾン層破壊物質の許容量は前年の実績に基づいて、同物質の越境移転に関する規制の順守状況を勘案し、輸入申請者の間で配分される。許容量の60%は2018年にオゾン層破壊物資を輸入した申請者に、35%は2018年には輸入実績がなく、許可文書を有していない申請者に、5%は2018年に許可を受けたものの輸入しなかった申請者に配分される。

輸入規制の期間中に輸入できる物質は「1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b)」のみで、許容量は1,242.673トンとされている。

ロシアでは昨今、気候変動や大気汚染に対する意識が高まっている。気候変動に関するパリ協定について、ロシア政府は9月23日にニューヨークで開催される国連事務総長による気候変動サミットに向け批准手続きを行う見込みだ(2019年7月17日記事参照)。大気汚染対策については、プーチン大統領はロシア国内12都市で大気汚染物質の排出量割り当て試験の実施に関する連邦法(2019年7月31日記事参照)に7月26日に署名している。

(齋藤寛)

(ロシア)

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