主要関係企業・団体、EUにおける再生プラスチック市場構築に向けた宣言に署名

(EU)

ブリュッセル発

2019年09月24日

プラスチックの製造から回収・リサイクルまでのバリューチェーン全体の主要な産業関係者が参画するプラットフォーム「循環型プラスチック同盟外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は2019年9月20日、EU域内における再生プラスチック市場の構築に向けた宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

「リサイクルしやすさ」の規格策定も視野

欧州委員会が2018年1月に公表した「欧州プラスチック戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」には、2025年までに1,000万トンの再生プラスチックを利用する目標が盛り込まれている。同プラットフォームは、プラスチックのリサイクルと再生プラスチックの利用促進に向けて、リサイクルしやすい設計の自主規格などの策定や、目標を妨げ得る障害の報告、進捗状況のモニタリング実施を目的として、欧州委員会が2018年12月に設立した。2019年2月5日に開催された初回の会合には、化学品・化粧品、自動車、飲食料品、家電など幅広い産業に属する30の関係団体が参加している。今回の宣言には、さまざまな規模の企業や産業団体、標準化機関、研究機関、加盟国の監督機関など官民100以上の団体が署名。2025年目標の達成に向けて、主に次の措置を打ち出した。

  • プラスチック製品のリサイクルしやすさ(リサイクラビリティー)の向上、再生プラスチックの利用拡大のための製品設計ガイドラインを作成し、定期的に更新。リサイクルしやすさの規格策定にも積極的に貢献する。2020年3月1日までにガイドラインと規格策定に向けた作業計画の合意を目指す。
  • プラスチック廃棄物の埋め立てゼロに向けて、官民の関連団体と協力し、プラスチックごみの分別収集の実効性のある枠組みを確立する。2020年6月1日までにEU域内のプラスチックごみ収集・分別の現状を整理してリサイクル促進の余地を特定し、2021年1月1日までに収集・分別の設備・インフラに必要な投資の計画を立てる。
  • 再生プラスチックの利用を拡大し得る法的・経済的・技術的要件を特定し、2021年1月1日までにソリューションとともに報告する。
  • 2020年3月1日までに、市場ニーズと規制への対応に向けた技術的な課題に対する循環型プラスチックのための研究開発アジェンダを策定する。
  • 2021年1月1日までに、EU域内におけるプラスチックごみの量をモニタリングする、追跡可能で、透明かつ信頼性のあるシステムを構築する。

そのほか、同宣言では、2025年目標達成を見据えた進捗状況を把握するため、同盟の活動内容の調整や任務と責任の確立、年次報告の作成を行う運営委員会の設立が含まれている。

(村岡有)

(EU)

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