統計局、2018年実質GDP成長率の確定値を2.4%と発表

(オーストリア)

ウィーン発

2019年09月30日

オーストリア統計局は9月25日、2018年の実質GDP成長率の確定値を、暫定値より0.3ポイント下方修正して、2.4%と発表した。EU平均(2.0%)および主要な貿易相手国のドイツ(1.5%)とイタリア(0.9%)を上回っており、2016年(2.1%)と2017年(2.5%)に続いて3年連続2%台の堅調な成長を示した。名目値で、オーストリアのGDP は3,857億ユーロ(前年比4.2%増)、1人当たりのGDPは4万3,460ユーロとなった。

成長率を需要項目別にみると、総固定資本形成(前年比3.6%増)は個人最終消費支出(1.1%増)を上回ったが、伸び率は前年(4.5%)より低かった。機械・設備(6.6%増)と建設(3.7%増)への投資が伸びた一方、交通インフラへの投資(1.4%減)が減少した。民間最終消費支出(1.1%増)は政府最終消費支出(0.9%増)を上回った。財・サービスの輸出(5.9%増)と輸入(4.9%増)はともに大幅に増加した。

労働市場も活発で、就労者数は前年比1.9%増(8万6,000人増)となり、過去最高の475万人に達した。失業率は前年比0.6ポイント減の4.9%で、6年ぶりの低い水準に下がった。

一方、2019年に入って、オーストリア経済は減速し始めた。オーストリア経済研究所(WIFO)によると、2019年第1四半期は前期比0.5%増で堅調だったが、第2四半期は0.3%増と2015年以降で最低の伸び率だった。投資活動(建設投資0.6%増、設備投資0.4%増)が鈍化し、世界経済の減速につれて、貿易も勢いを失っている。財・サービスの輸出は0.5%、輸入が0.4%の伸びにとどまった。

WIFOは、2019年通年の成長率を1.7%と予測している。2020年には1.5%に減速する見通し。

(エッカート・デアシュミット)

(オーストリア)

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