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中銀、政策金利を5年2カ月ぶりに引き下げ

(メキシコ)

メキシコ発

2019年08月16日

メキシコ銀行(中央銀行)理事会は8月15日、銀行間翌日物金利の誘導水準(政策金利)を25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げて8.00%にすることを決定した。政策金利の引き下げは、2014年6月6日以来5年2カ月ぶり。

この背景には、7月の米国連邦準備理事会(FRB)による利下げがある。中銀のプレスリリースでは、米国の利下げとともに、先進国と新興国の中銀の多くが緩和的な金融政策を講じていることが指摘されている。また、中銀のアレハンドロ・ディアス・デ・レオン総裁は、政策金利引き下げ決定の後に、国際貿易における緊張がさまざまな国に経済的なインパクトをもたらしており、それにより投資家は世界経済の後退を警戒するようになっていると分析し、メキシコは外的な衝撃に備えるためにも、投資家の信頼を確保できる国内環境を構築しなければならないとコメントした。

2019年第1四半期のGDP成長率が季節調整済み前期比でマイナス0.2%になり、第2四半期も0.1%(速報値)と低成長にとどまったことから、景気回復に向けて利下げへの期待が高まっていたことも、今回の中銀の判断要因の1つとして捉えられる。アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は7月下旬にブルームバーグのインタビューに答えて、「メキシコ銀行の独立性を尊重するものの、インフレのコントロールだけでなく、成長やバランスも考えてもらえればと思う。メキシコ銀行がインフレを注視していることは決して間違っていないが、経済成長を促すための金利の引き下げも重要だ」と発言していた。

中銀が政策金利の引き下げに踏み切れたもう1つの背景には、インフレ率の低下がある。2019年6月のインフレ率は前年同月比3.95%、7月は3.78%で、中銀がインフレ率の抑制目標とする3%±1ポイントを達成していた。

為替への影響はほとんどなし

中銀が為替市場の動きから発表している為替レートは、8月15日には1ドル=19.6365ペソとなったが、前日8月14日の19.5763ペソと比べて0.3%下がったにすぎない。むしろ、8月14日の方が前日比0.6%減と下落率は大きい。政策金利引き下げが為替市場に影響を与えることは、ほとんどなかったことを示している。

政策金利は2014年6月6日に3.50%から3.00%に引き下げられ、その後1年半は同水準が維持されたが、2015年12月に利上げに転じて以降、15次にわたって25bp、あるいは50bp引き上げられ続けてきた。この流れを断ち切った今回の中銀の判断は、メキシコ経済に光明を与えるものとみられるだろう。

(稲葉公彦)

(メキシコ)

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