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深センが香港の地位を継承か、深センの新方針をめぐり香港で議論

(香港)

香港発

2019年08月28日

中国国務院は8月9日、深セン市を中国のさらなる改革開放の旗手と位置付ける「深セン市における中国の特色ある社会主義先行モデルエリア建設の支援に関する意見」(以下、意見)を発表した(2019年8月26日記事参照)。意見では、深セン市はイノベーション分野などに加え、デジタル通貨の研究やモバイル決済などのイノベーティブな活用の支援、香港・マカオの金融市場との相互連携や金融商品の相互認証の促進、人民元の国際化の先行実施、クロスボーダーでの金融監督・管理制度のイノベーション化など、金融分野にも注力すべきと明記された。

意見の発表を受け、複数の香港メディアは当初、香港で長期化する「逃亡犯条例」などをめぐる抗議活動の影響と報じた。例えば、香港の経済紙「香港経済日報」(8月18日)は「逃亡犯条例に対する抗議活動により、中国政府はプランBを策定」との小見出しの下、「香港の混乱が収まっても、香港経済が打撃を受けるのは明白だ。短期間で深セン市が香港に取って代わることは難しいが、中国政府は深セン市の地位を向上させ、香港の地位を継承する準備を進めている」などと伝えた。また、香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」(8月19日)も、「今回の発表は、『広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区)(以下、大湾区)』計画における深セン市の地位を引き上げ、大湾区の発展の牽引役を香港から深セン市にシフトさせる中央政府の意向を反映したもの」と報じた。

一方で後日、「香港経済日報」(8月20日)は、「深セン市をめぐる新方針は昨今の香港情勢を反映したものではない」とする中国国際経済交流センター産業計画部長・兼大湾区戦略研究課題チーム長の王福強氏の見解を掲載した。王氏はまた、「深セン市の地位の再定義は、中国本土による新たな改革開放に向けた動き」と前置きした上で、「深セン市の金融機能強化に伴い、深セン市と香港間の競争は激化するが、香港の競争力向上にも寄与するだろう」などと指摘した。

香港特別行政区政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は8月20日の記者会見で、「深セン市に対して有利な措置が講じられた場合、特にイノベーションの分野で香港にもプラスの効果がある。深セン市が先駆的なモデルエリアとなれば、深セン市と香港が相互に補完し合うという点で、香港にも利益が生じる」と述べ、深セン市の新方針について肯定的なコメントを発表した。

(吉田和仁)

(香港)

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