山東省の上半期の貿易額、「一帯一路」沿線国相手が20%の伸び

(中国)

青島発

2019年08月05日

山東省商務庁の7月23日の発表によると、同省の2019年上半期の貿易額は、前年同期比9.2%増の9,714億8,163万元(約15兆5,437億円、1元=約16円)だった(表参照)。伸び率は中国全体(3.9%)を5.3ポイント上回り、中国全体の貿易額の6.6%を占めた。輸出は9.2%増の5,270億元329万元、輸入は9.1%増の4,444億7,834万元だった。

表 山東省の国・地域別貿易額(2019年上半期)

直轄市・省・自治区別では、山東省の貿易額は、広東省、江蘇省、上海市、浙江省、北京市に次いで6位に位置した。

国・地域別にみると、輸出では、アフリカ(前年同期比17.2%増)、中東(15.5%増)、EU(15.0%増)、ASEAN(12.7%増)が好調だった。輸入では、インド(50.5%増)、マレーシア(49.8%増)、中東(48.5%増)などが大きく増加した。

貿易摩擦を抱える米国との貿易は、輸出が7.4%減の786億2,534万元、輸入が47.0%減の140億1,925万元と落ち込みが顕著だった。

品目別にみると、輸出では、主要品目である機電製品(注1)が前年同期比9.7%増の1,965億4,000万元、労働集約型製品(注2)が8.4%増の995億7,000万元、鋼材が6.6%増の262億3,000万元で、自動車部品(12.9%増)、タイヤ(13.4%増)なども好調だった。

輸入では、原油が23.3%増の1,465億7,000万元、農産品が13.8%増の526億4,000万元と増加した。

一方、山東省の「一帯一路」沿線国(注3)との貿易額は、前年同期比20.2%増の2,786億5,885万元と高い伸び率を示した。「一帯一路」沿線国との貿易が山東省経済を牽引する新たな原動力となっていることが読み取れる。同沿線国向けの貿易品目をみると、輸出では機電製品が全体の33.9%を占めており、18.9%増の507億1,000万元と高い伸びを示したほか、労働集約型製品が14.0%増の166億4,000万元、鋼材が5.3%増の145億6,000万元だった。輸入では、原油が60.6%増の599億4,000万元、農産品が36.5%増の111億8,000万元だった。

(注1)機電製品は機械設備、電機設備、交通運送関連製品、電子製品、電機製品、計器、金属製品などを指す。

(注2)労働集約型製品は軽工業部門に多く、主に、紡織品、靴類、革製品、玩具、かばんなどを指す。

(注3)「一帯一路」沿線国は、以下の中国政府ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますより参照可能(中国語)。

(武瑞琴、田中正義)

(中国)

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