下半期の経済政策、政府が景気下支え策を強化との観測も

(中国)

北京発

2019年08月07日

中国共産党の中央政治局会議が7月30日に開催された。同会議では、当面の経済情勢を分析・検討するとともに、2019年下半期の経済政策の方針が示された。

目下の経済情勢については、「わが国の経済発展は新たなリスクと試練に直面しており、国内経済の下押し圧力が高まっている」との懸念が示された。

また、下半期の経済政策として挙げられたものは表のとおり。

表 中央政治局会議が発表した主な方針

投資については、製造業の投資を安定させ、都市部の老朽化した小区(団地)の建て替えや都市部の駐車場、都市と農村におけるコールドチェーン物流設備の建設などの弱点分野の補強、情報・ネットワークなどの新型基礎インフラの建設の加速など、具体的な政策が提示された。

華泰証券の李超首席マクロエコノミストは「老朽化した小区(団地)の建て替えが今後の投資の安定のカギとなる」とし、今回の会議において、弱点の補強という作用が強調されていることから、「中央政府が当該分野に対する資金面でのサポートを強化する可能性がある」と述べた(「新華社」7月31日)。

財政政策については、より強化し効率を高める必要があり、減税と費用削減を引き続き、きめ細かに実施しなければならないとした。

中国政府は2019年の重点政策として、合計2兆元(約30兆円、1元=約15円)規模の減税と費用削減を行うとしていたが、上半期においては実質GDP成長率の減速は止められず、主要経済指標にも大幅かつ持続的な回復はみられなかった。交通銀行の唐建偉研究員は、財政政策の方針に「きめ細かに」との表現が追加され、下半期は減税と費用削減がより強化される可能性があると指摘した(「新華社」7月31日)。

不動産については、「住宅は住むためのもので、投機のためのものではない」とした。中国現代国際関係研究院世界経済研究所の張茂栄研究員は「中央政府が、『経済が減速したら、まず不動産分野に着手する』といった手法を改める決意を示したもの」と評価している(「中国青年網」8月5日)。

今後の経済の見通しについて、社会科学院世界経済・政治研究所国際投資研究室の張明主任は「新たな刺激政策がなければ、第3四半期の経済はより一層減速する可能性がある」と指摘しており、政府がさらに景気下支え策を強化するとの観測も強まっている(「経済観察報」8月3日)。

(藤原智生)

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