西南地域(四川省、重慶市、雲南省、貴州省)の上半期経済指標が発表に

(中国)

成都発

2019年08月09日

中国西南地域における四川省、重慶市、雲南省、貴州省の2019年上半期の域内総生産(GRP)(注)は、四川省が前年同期比7.9%増の2兆517億元、重慶市が6.2%増の1兆335億元、雲南省が9.2%増の7,957億元、貴州省が9.0%増の7,213億元となった(表参照)。重慶市を除く3省では、中国全体の成長率(6.3%)を上回り、堅調な伸びを示した。

重慶市を除く3省は中国全体を上回る成長率

産業別にみると、雲南省と貴州省では、第二次産業の伸びが好調で、前年同期比でそれぞれ11.5%増、10.4%増となった。また、消費動向を示す社会消費品小売総額では、雲南省と四川省がそれぞれ10.9%増、10.5%増と堅調に増加した。

表 四川省・重慶市・雲南省・貴州省の2019年上半期の主要経済指標(前年同期比)

欧州やASEANとの貿易が伸びを牽引

貿易額は、四川省が前年同期比21.9%増の3,033億元、重慶市が16.5%増の2,644億元、雲南省が12.6%増の1,049億元と、いずれも中国全体の伸び率(3.9%増)を大幅に上回った(貴州省は未発表)。

それぞれの内訳をみると、四川省は、輸出が前年同期比27.3%増の1,696億元、輸入が15.7%増の1,337億元だった。国・地域別では、全体の24.6%を占める米国との貿易額が14.7%増の746億元と堅調な伸びを示したほか、EUが44.6%増の539億元、ASEANが23.5%増の588億元と大きく増加し、全体の伸びを牽引した。

重慶市は、輸出が前年同期比16.5%増の1,711億元、輸入が16.5%増の952億元となった。米国との貿易額は、1%増の452億元にとどまった一方、EUは21.9%増の505億元、ASEANは47.4%増の505億元と大幅に増加した。特に、パソコン、集積回路、中央演算処理装置(CPU)などの電子製品の輸出が27.0%増の1,211億元と好調だった。

雲南省は、輸出が前年同期比21.4%増の434億元、輸入が7.1%増の616億元となった。全体の約5割を占めるASEANとの貿易が15.2%増の533億元と堅調に推移し、うち、ミャンマーが18.0%増の282億元、ラオスが28.3%増の40億元だった。

西南地域の3省・1直轄市は、「不確定要素の存在、発展の不均衡などの問題があり、経済成長の下押し圧力が依然として存在する」との共通課題の中、今後は産業の転換や高度化、供給側の構造改革、経済成長の新たな原動力の創出などの対策を講じ、経済の持続的かつ健全な発展の実現に向けて取り組む姿勢を示している。

(注)各省・市の統計局の発表による。発表日は、四川省が7月16日、重慶市は7月18日、雲南省が7月17日、貴州省が7月16日。

(郭穎)

(中国)

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