シェル、ノルウェー石油大手エクイノールにメキシコ湾の油田の権益を売却

(米国)

ヒューストン発

2019年08月06日

オランダのロイヤル・ダッチ・シェルの米国子会社シェル・オフショア(ヒューストン)は7月30日、ノルウェー石油大手エクイノールの子会社エクイノール・ガルフ・オブ・メキシコ(ヒューストン)に、シェルが保有するメキシコ湾のシーザー・トンガ油田の権益売却を完了したと発表した。売却総額は9億6,500万ドル。

シーザー・トンガ油田は、ルイジアナ州ニューオーリンズから南西約300キロのメキシコ湾グリーンキャニオン地域(水深約1,500メートル)に位置している。2007年から開発が始まり、スパーと呼ばれる円筒形の浮体施設に、海底パイプラインで結ばれた各油井から石油・ガスを集める方法での生産が2012年3月から開始されており、生産量は1日当たり約7万1,000バレルとなっている。

この油田は、米国独立系石油会社アナダルコが33.75%、エクイノールが23.55%、シェルが22.45%、シェブロンが20.25%の権益を保有するジョイントベンチャーが開発・生産を行っており、生産オペレーターはアナダルコだ。

同油田の権益についてシェルは、4月にイスラエルのエネルギー会社デレク・グループのデレク・CT・インベストメントへの売却を発表していたが、その後、ジョイントベンチャーを構成するエクイノールが優先先売権を行使したことにより、5月にエクイノール・ガルフ・オブ・メキシコへの売却が決定した。

エクイノールは、オペレーターのアナダルコが保有する権益を上回る46%を保有することになるが、引き続き同油田のオペレーターはアナダルコが務める。

シェルは、メキシコ湾の海洋石油ガスの開発に関し、シーザー・トンガ油田のような自らがオペレーターではない(ノンオペレーター)資産を売却し、自らがオペレーターを務めるフィールドに資源を集中し、投資を促進するといわれている。

(中川直人)

(米国)

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