2019年版の上海100強企業リストを発表、新興サービス業に勢い

(中国)

上海発

2019年08月26日

上海市企業連合会、上海市企業家協会、上海市経済団体連合会と解放日報社は8月19日、共同で「2019年上海100強企業」リスト(以下、上海100強企業)を発表した(表参照)。

表 上海市の100強企業(上位10社)

2019年版の上海100強企業とは、上海市に本社を置く企業の前年度(2018年)の営業収入上位100社のランキングだ。1位は上海汽車集団で、中国宝武鋼鉄集団、交通銀行などが続いた。

上海100強企業の2018年の営業収入総額は、6兆9,081億元(約103兆6,215億円、1元=約15円)で、前年比13.3%増となった。また、企業の平均営業収入は691億元で、上海100強企業のうち、営業収入が1,000億元を超えたのは21社だった。

1位の上海汽車集団は、自動車業界のリーダーとして、新エネルギー車分野で目覚ましい業績を上げた。2018年に中国では自動車販売が低迷したにもかかわらず、営業収入は一定の伸びを維持した。2位の中国宝武鋼鉄集団は、鉄鋼業の景気回復と宝山鋼鉄と武漢鋼鉄集団による経営統合の効果が表れ、業界トップとしての地域を強固にした。3位の交通銀行は、銀行業界の不況の影響を受けながらも、営業収入を増加させた。上位3社を含めた20位までの企業の営業収入総額は4兆8,751億元で、上海100強企業の全体の70.6%を占めた。

また、新興サービス業も成長をみせている。消費手段の変化を商機として捉え、インターネットと人工知能(AI)技術の実現により、業績が急成長した企業もある。例えば、宅配サービスサイト「美団点評」を運営する互誠信息技術(上海)の2018年の営業収入は前年比92.3%増の652億元に達し、26位にランクインした。同社は、生活サービス電子商取引(EC)業界のリーダーとして、中国各地でECサービスのプラットフォームを提供しており、宅配配達員など270万人分以上の雇用ポストを創出した。また、EC市場の成長を背景に、物流企業も業績を伸ばしており、圓通速递、徳邦物流など4社が上海100強企業にランクインしている。

(侯恩東)

(中国)

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