甘味飲料などに物品税50%を課税、2020年1月から実施

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2019年08月27日

アラブ首長国連邦(UAE)は2020年1月1日から、砂糖や他の甘味料を加えた飲料、または飲料に変換できる液体、濃縮物、粉末などに対して、50%の物品税を課すことを決定した。同製品の製造業者は、消費者が堅実に健康についての選択ができるように、糖分の含有を明記することが要求されると国営通信ワム(WAM)が8月20日付で報じている。また同時に、電子たばこ機器に対して、100%の物品税を課すことも決定された。

この決定では、人々の健康や環境に害を及ぼすリスクがある製品の消費を減らすことを目的としており、国民の健康を向上させるとともに、砂糖の消費と直接関係のある慢性疾患の予防が図れるとしている。この課税は、2017年に導入された炭酸飲料やエナジードリンクに対する物品税課税の枠を広げたもの(2017年8月1日記事参照)。

地元英字紙「ガルフ・ニュース(Gulf News)」の報道では、2017年に導入された課税により糖尿病や肥満といった生活習慣病の改善が図られ、調査会社ユーロモニター・インターナショナルの市場調査を引用し、エナジードリンクの消費は導入から15カ月で65%減少したとしている。一方で、原油価格の下落により政府歳入が減少する中、物品税は2018年に導入された付加価値税とともに新たな歳入となった。また、多くの市民はこの政府の決定を歓迎しており、特に子供を持つ親からは歓迎されていると報じている。

(反町俊哉)

(アラブ首長国連邦)

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