カナダ自由党、支持率で保守党を急追、総選挙を控えカナディアン・プレスなど世論調査

(カナダ)

トロント発

2019年08月01日

10月21日に実施されるカナダ連邦下院総選挙まで3カ月を切る中、カナディアン・プレスと世論調査会社レジェ・マーケティングが行った世論調査の結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)が7月25日に発表された。調査はオンラインで7月19~23日の間に行われ、有権者1,536人から回答を得た(許容誤差はプラス・マイナス2.5%)。

政党の支持率で、野党第1党・保守党(アンドリュー・シアー党首)は前回6月の調査から2ポイント低下の36%だったのに対し、与党・自由党(党首:ジャスティン・トルドー首相)が4ポイント上昇して33%となった。4月の調査では、保守党が自由党を13ポイント差で上回っていたが、自由党が保守党を追い上げるかたちとなり、両党の支持率は拮抗(きっこう)してきた。また、「首相にふさわしい党首は誰か」との設問では、シアー党首が24%(前回調査比1ポイント低下)、トルドー首相が23%(1ポイント上昇)とほぼ並んだ。そのほかは、緑の党のエリザベス・メイ党首が9%(1ポイント上昇)、新民主党(NDP)のジャグミート・シン党首が7%(1ポイント上昇)だった。

「現在の自由党政権に満足しているか」との設問では、「大変満足している」5%(前回と同じ)、「やや満足している」31%(1ポイント上昇)、「やや不満」25%(1ポイント上昇)、「非常に不満」が34%(1ポイント低下)、「わからない・無回答」5%(前回と同じ)と、前回とほぼ同程度の内容となった。

「自由党に次期政権も任せたいか」との設問には、「はい」は30%にとどまり、「いいえ」が51%と上回った。一方、「保守党は次期政権を担う準備ができていると思うか」との問いには、「はい」32%、「いいえ」44%、「わからない」とした回答が24%だった。

また、カナダ世論調査会社リサーチによる調査では、下院総選挙で「明日投票が行われたら、どの党に投票するか」という設問で、自由党がわずかにリードという結果PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)となった。この調査はオンラインで7月15~17日に有権者1,000人を対象に行われた(許容誤差はプラス・マイナス3.1%)。自由党候補に投票するとした回答が34%、次いで保守党(31%)、NDP(17%)、緑の党(10%)となった。リサーチのプレジデント、マリオ・コンセコ氏は「2大政党の支持率は各世代でも拮抗している」と指摘する。自由党はいずれの世代でも保守党を上回っているが、その差は「18歳から34歳」と「55歳以上」の世代では3ポイント、「35歳から54歳」では2ポイントの差にとどまっている。各政党の党首の支持率では、緑の党のメイ党首が42%(不支持:34%)、次いで自由党のトルドー首相が41%(50%)、保守党のシアー党首が36%、NDPのシン党首が35%となった。

カナダが直面している最も重要な課題については、経済、雇用、ヘルスケアがそれぞれ19%で上位となり、環境(16%)、住宅、ホームレス、貧困(13%)、移民(10%)が挙げられた。

(酒井拓司)

(カナダ)

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