上海証取のハイテク新興企業向け市場「科創板」が正式取引開始、25社上場

(中国)

上海発

2019年08月01日

上海証券取引所で7月22日、においてハイテク新興企業向けの株式市場「科創板」の取引が始まり、第1号銘柄として25社が上場した(2019年7月11日記事参照)。上場式には上海市の李強共産党委書記、応勇市長、中国証券監督管理委員会監会(以下、中国証監会)の易会満主席らが参加し、中国証監会の李超副主席がスピーチを行った。

李超副主席は「科創板は株式登録制のテストケースになるとともに、経済発展をリードし、イノベーション転換を図る使命を負っている。資本市場の体制を改革する役割も担っており、資本市場の機能をさらに向上させ、サプライサイドの構造改革と高度な発展に独特の役割がある」と述べた。

取引初日の株価の平均伸び率は140%と大幅な上昇を見せた。その中でも、ハイテク半導体材料の安集科技は約400%の上昇となった。25社の合計取引額は480億元(約7,680億円、1元=約16円)を超え、国営企業で軌道交通制御技術の中国通号の取引額は100億元に上った。

翌23日には、25社のうち21社の株価が下落に転じ、取引金額は228億元、24日の取引金額は220億元と、市場は徐々に落ち着きを取り戻している。

多くの証券会社は、今後数日間は科創板の取引総額が比較的に小規模になると予測している。商招証券の張夏策略主席アナリストは「創業板(ベンチャーボード)(注)が取引を開始した際の状況を参考にすると、科創板でも市場の流動性に対する影響力が徐々に弱くなり、上場後30日間の平均取引額は110億元にとどまる」と予測している。

(注)創業板は「中国版ナスダック」や「ChiNext(チャイネクスト)」とも呼ばれ、広東省深セン市にある深セン証券取引所の新興企業向け市場(ベンチャーボード)のことを指し、日本の東証マザーズに相当する。

(侯恩東)

(中国)

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