テンセントと任天堂、中国での協力内容発表、サービスの現地化を推進

(中国)

広州発

2019年08月13日

中国IT大手の騰訊科技(テンセント)と任天堂は8月2日、中国での「ニンテンドースイッチ」販売などに関する協力内容について、上海市でメディア発表を行った。騰訊の馬暁軼・高級副総裁、任天堂の柴田聡・取締役上席執行役員らが参加した。4月18日にテンセントが「ニンテンドースイッチ」とゲームソフト「NewスーパーマリオブラザーズUデラックス」の販売許可を政府から取得(2019年4月25日記事参照)して以来、初の共同発表となる。4月26日には任天堂がテンセントと中国でニンテンドースイッチの共同販売に取り組んでいると発表していた。

ゲームソフトの翻訳、オンラインサービスなどで協力

テンセントは中国での販売だけでなく現地化支援も行うとし、具体的内容として、(1)ゲームソフトの中国語翻訳、(2)中国内のネットーワーク状況に適したオンラインサービスの構築、(3)中国版ニンテンドーeショップでのウィーチャットペイの使用、(4)オフライン販売ルート構築とユーザー交流センターの設立などを挙げた。また、任天堂は中国で販売された製品への修理サービスなどを提供し、ハードについては1年間の修理保証、周辺機器について修理・交換・返品などの対応をするという。

中国オリジナルゲームの開発も期待

テンセントゲームズ任天堂協力部の銭賡・総経理は「販売代理として任天堂やその他のメーカーの優れたソフトを中国へ導入する。同時に、さまざまな質の高いゲームが中国版ニンテンドースイッチのソフトとなることを期待している」と述べ、幅広いメーカーのソフトを導入する姿勢を示した。7月22日にはテンセント傘下の騰訊遊戯天美工作室群(TiMi Studio Group)が任天堂の持分法適用関係会社のポケモンとゲームを共同開発すると発表しており、中国オリジナルのゲームの発売も期待される。

7月24日には中国のSNS微博(ウェイボー)で、「騰訊NintendoSwitch」アカウントが関連情報の発信を開始している。

8月2~5日に上海市で開催されたゲーム関連の大型展示会「China Digital Entertainment Expo & Conference(China Joy 2019)」でも、ニンテンドースイッチが初めて展示された。

(河野円洋)

(中国)

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