東部の2州議会選挙の情勢、社会民主党は歴史的大敗か

(ドイツ)

ベルリン発

2019年08月27日

東部ドイツのブランデンブルク州とザクセン州で9月1日に実施される州議会選挙で、緑の党(Gruene)とドイツのための選択肢(AfD、極右)が勢いを増し、社会民主党(SPD)の歴史的大敗が見込まれる。

ドイツの社会政治を専門とする研究機関インフラテスト・ダイマップ(Infratest dimap)は8月23日、両州議会選挙についての世論調査を発表した。

ブランデンブルク州では、1990年のドイツ統一・同州成立以来、一貫して第1党として州政を担ってきたSPDが支持率22%と低迷(前回2014年選挙の得票率:31.9%)し、初の得票率3割われの予測が出ている。キリスト教民主同盟(CDU)は18%(23.0%)、SPDと連立を組む左派党(Linke)が15%(18.6%)と続き、AfDは22%(12.2%)、緑の党12%(6.2%)と大躍進している。

ザクセン州は、現在第1党として州政を担うCDUが30%(2014年:39.4%)と低迷する一方で、ブランデンブルク州と同じくAfDは24%(9.7%)、緑の党11%(5.7%)と大幅に支持を伸ばしている。CDUと連立を組むSPDは7%で、2014年の12.4%からほぼ半減という歴史的な低得票率を記録する可能性がある。

両州では、現在の2党連立では過半数を獲得できない見込みで、特にザクセン州ではCDUが極右政党AfDとの連立を選択する可能性があり、ドイツ政治において歴史的転換期を迎えることになり得る。

(ヴェンケ・リンダート、中村容子)

(ドイツ)

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