カルナータカ州、インド人民党が政権復帰

(インド)

ベンガルール発

2019年08月07日

インド南部のカルナータカ州では7月23日、H.D.クマラスワミー州首相率いるインド国民会議派(コングレス)とジャナタ・ダル〔JD(S)〕の連立政権が失脚し、州議会で野党となっていたインド人民党(BJP)が政権に復帰した。

2018年5月に実施されたカルナータカ州議会(定数224)選挙では、BJPが104議席を獲得して第1党となったものの、過半数(113議席)を確保できず、2位のコングレス(80議席)と3位のJD(S)(37議席)が連立を組み、JD(S)のクマラスワミー党首を州首相とする政権が誕生した。

しかし、5月にBJPが下院総選挙で大勝すると、この連立に不満を抱いていた州議会議員15人〔会議派12人、JD(S)3人〕が7月6日に辞任を表明。これによって、過半数を失ったクマラスワミー州首相は政権を維持することができなくなり、政権発足後14カ月で終焉(しゅうえん)を迎えた。上記の15人が辞任したことで、現在の州議会は209議席が埋まっており、事実上、BJP政権が過半数(105議席)を確保できていることから、結果として多数派となったBJPのB・S・イェデュラッパ氏が7月26日、州首相に就任した。

ただし、現在空席の15議席に対して今後補欠選挙が行われることから、BJPが政権を維持し続けるためには最低7議席を獲得する必要がある。仮に獲得できなかった場合には、BJPは過半数割れとなり、政治不安が再び生じる可能性もある。

産業界は新政権にポジティブな対応

BJPのイェデュラッパ州政権が誕生したことを受け、産業界はポジティブな見解を示している。カルナータカ州商工会議所(FKCCI)は「久しぶりに中央政府と同じ政党が州政権を獲得した。政策の導入などにおける意思決定が迅速になると期待している。政治的な不安はまだ残るが、州の投資環境に影響を与えることなく、今後とも新規投資案件が順調に増えていくはずだ」と肯定的な見方を示した。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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