宅配需要の増加を受け、配達員の平均月収は7,000元超に

(中国)

上海発

2019年08月29日

中国の大手求人サイト「58同城」の関連機関である58同城雇用研究院は8月19日、物流業界の就業動向を分析したレポート「物流業界就業趨勢(すうせい)」を発表した。同レポートによれば、2019年上半期の宅配業に従事する配達員の平均月収は、前年同期比6.6%増の7,254元(約10万8,810円、1元=約15円)となった。

配送員の給与は、固定給と荷物の取り扱い件数に応じて上乗せされる歩合給を組み合わせた報酬体系が多い。一般的に宅配便1件当たりの配送報酬は2~3元で、件数が一定量を超えると1件当たりの報酬はさらに高くなる仕組みだ。ただ、熟練配達員でも1日当たりの取り扱い件数は300件の配送が限界だといわれている。

上海市人力資源・社会保障局が発表した、上海市の2018年大学新卒者の平均初任給は6,024元で、配達員の給与が相対的に高いことがうかがえる。

宅配業は体力を要する職種であるため、求人対象は20~30代前半に集中しているが、近年はさらに若齢化する傾向にあるといわれている。

近年、ネット通販の普及で配送サービスに対する需要が急増している。ネット通販関連の宅配件数は2018年に500億件を突破し、2020年には710億件に達すると予測されている(「新京報」8月20日)。急増する配送需要を満たすべく、求人サイトの配送員の求人数も急増しており、2019年4月時点で前年同月の3.7倍に達している。

(王艶)

(中国)

ビジネス短信 25145a91fc108e86