山東省済南市で4年ぶりに高齢者産業交流会を開催

(中国)

青島発

2019年08月08日

ジェトロは7月26日、中国国際貿易促進委員会(CCPIT)山東省委員会と、「日中高齢者産業交流会」(以下、交流会)を共催した。2014年から毎年山東省で開催しているが、済南市での開催は4年ぶり3回目となる。交流会はセミナーと商談会の2部構成で、日本企業22社と中国企業135社が参加し、約250人が来場した。

セミナーでは、高齢者産業の政策や発展状況、日本企業が抱える問題などをテーマとした講演が行われた。済南市民生局の孔彬氏は「2018年末時点で、済南市の65歳以上の高齢者人口は115万8,623人で、総人口の14.5%を占める。今後さらに急増するとみられ、市政府は税制面などで優遇措置を取っている」と説明した。また、「『在宅・コミュニティ-養老サービス』を重点事業と位置付け、公設民営や公民連携など優れた民間企業のノウハウを活用し、民間資本による高齢者産業への参入を促進する」と述べた。

青島大学の程国慶教授は「介護人材の不足が日中両国における事業発展の足かせになっている」と指摘し、「日中両国で介護人材の教育や交流を促進するには、要介護認定の基準、養老施設の運営体系(施設分類、料金請求基準)、介護サービスのレベルなどを統一する必要がある」と述べた。

また、新華錦集団と合弁会社を設立し、8年前に青島市に進出したロングライフホールディングスの石橋段氏は「日本企業は介護の経験や知識などにおいてノウハウがあるが、日本流をそのまま中国で提供しても受け入れられない。中国の国情と地域ニーズを十分に把握した上で、中国の利用者や従業員と意思疎通を図らなければならない」と参加者にアドバイスした。

介護用品、管理システムなどで中国企業から多数の引き合い

商談会では計168件の商談が行われ、成約(見込みを含む)は39件あった。このうち、製品に関しては介護ベッドやリハビリ機器、サービスに関しては管理ノウハウへの引き合いが多かった。商談会に参加した日本企業からは、「日本の介護製品は価格帯が大きなネックになっていたが、政策の後押しなどにより、高品質で優れた製品であれば中国市場に受け入れられ始めている」とのコメントがあった。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

写真 会場で活発に行われる商談(ジェトロ撮影)

会場で活発に行われる商談(ジェトロ撮影)

(董玥涵)

(中国)

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