上半期の対内直接投資額、前年同期比1.5%増の181億240万ドル

(メキシコ)

メキシコ発

2019年08月30日

メキシコの2019年上半期の対内直接投資額は181億240万ドルで、前年同期比1.5%増、上半期の投資額としては2013年以降の6年間で最高となった(注)。

経済省外国投資局が8月21日に発表した対内直接投資統計によると、投資の類型別構成比は、新規投資が23.9%、利益再投資が75.6%、親子間勘定が0.5%となり、利益再投資が大半を占めた。

主要国・地域別にみると、首位の米国は前年同期比1.6%減の68億6,490万ドルで構成比は37.9%(表1参照)。米国からの投資は製造業が51.3%を占め、そのうち輸送機器が35.2%を占めた。2位のカナダは約2.2倍の27億8,270万ドル(構成比15.4%)で、金属鉱物を中心に鉱業への投資が25.4%を占め、そのほかに不動産・賃貸業(19.7%)、農林畜産業向け卸売業(19.5%)、金融・保険業(18.1%)の割合が大きかった。3位はスペインで26.7%減の20億920万ドルだった。伝統的に投資が多く行われてきた金融・保険業が52.0%、電気・ガス・水道が22.0%を占めた。

表1 主要国・地域別の対内直接投資

日本からの投資は前年同期比59.8%減だったものの、4億2,610万ドルでアジア諸国の中で最も多かった。全体の60.4%を製造業が占め、そのうち自動車部品分野の投資額は3億6,030万ドルだった。日本の順位は、2018年上半期の投資額は5位だったが、2019年上半期は11位となった。しかし、日本企業の対メキシコ直接投資は在米企業を介して行われることも多く、その場合、メキシコの対内直接投資では統計上、米国の投資として計上されるため、実際には統計より多くの日本企業が投資を行っているものとみられる。韓国は13位で2億5,000万ドル、中国は4,950万ドルで19位だった。

主要産業別にみると、製造業がトップで前年同期比0.6%増の77億4,330万ドル、構成比は42.8%だった(表2参照)。このうち、構成比の最も大きい輸送機器は、完成車が4.6%増、自動車部品製造が9.7%増と堅調に推移した。また、米国を中心に飲料製造の投資が伸び、食品・飲料・たばこ製造は前年同期比で約3.6倍となった。サービス分野では、商業(卸、小売り)が最も構成比が大きく、全体の12.9%を占めた。

表2 産業別の対内直接投資

(注)2013年上半期は、ビール製造世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブによるグルーポ・モデロ買収が行われた影響で、ベルギーからの投資額が約133億ドルと特別に大きかった。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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