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パウエル米FRB議長、通商政策の不確実性によるリスクの高まりを指摘

(米国)

ニューヨーク発

2019年08月29日

ジェローム・パウエル米国連邦準備制度理事会(FRB)議長は8月23日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた年次経済政策シンポジウムで、「金融政策の課題」をテーマに講演外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。このシンポジウムは毎年、カンザスシティー地区連銀主催で開かれ、各国の中央銀行総裁やエコノミストらが参加する。

通商政策の不確実性が国内外の景気減速に影響と指摘

パウエル議長は「年初来の米国経済の見通しは引き続き良好」だが、「世界的な成長鈍化、通商政策の不確実性、抑制されたインフレ」の3つの要因を下押しリスクとして監視しているとし、特に「通商政策の不確実性は、世界的な景気減速と米国内の製造業・設備投資の低迷に一役買っているようだ」と指摘した。

パウエル議長はその上で最近の金融政策運営について言及し、これらのリスクに対応して前回(7月30、31日開催)や前々回(6月18、19日開催)の連邦公開市場委員会(FOMC)で実施した政策金利とその見通しの引き下げ(2019年8月2日記事2019年6月21日記事参照)は、緩和的な金融環境と引き続き良好なインフレ、雇用の見通しを生み出しているとした。また今後とも、「力強い労働市場や対称的な目標である2%近くの物価上昇とともに、(景気)拡大を持続させるために適切に行動する」と述べた。TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者であるプリヤ・ミスラ氏は、前回のFOMC会合以降、FRBは「(経済の)リスクが高まっていると認識しており、警鐘を鳴らさずとも(さらなる)金融緩和ができるとしている」と述べた(ブルームバーグ8月23日)。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のデータによると、市場が織り込む9月会合での利下げ確率は9割を超え、高水準となっている。

トランプ大統領はパウエル議長の講演内容を批判

また、パウエル議長は、戦後の金融政策の歴史の中で通商政策の不確実性に対処する政策指針を導き出すような先例はなく、「(金融政策が)国際貿易に対して整ったルールブックを与えることまではできない」と述べた。その上で、「われわれの任務は(あくまで)法で定められた(雇用の最大化と物価の安定という)目標を実現すること」であって、「通商政策は議会と政権の仕事」だとした。

これを受け、トランプ大統領は8月23日に自身のツイッターを通じて、「いつものように、FRBは(今後の利下げの具体策を示すなどの方策を)何もしなかった!(米中貿易摩擦に関して)近く発表することになるが、私が何をしているかも知らずに、また尋ねずに(講演で)話すことができるのは信じられない。米国はとても強いドルと、とても弱いFRBを持っている」と批判した。

(権田直)

(米国)

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