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第2四半期のGDP成長率、過去5年で最低の前期比0.5%、内需減速が鮮明に

(スペイン)

マドリード発

2019年08月19日

スペイン国家統計局(INE)の7月31日付速報によると、2019年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率は前期比0.5%(前期比0.2ポイント低下)と、2014年第2四半期以降最低の伸びとなった(表参照)。

表 需要項目別実質GDP成長率の推移(2019年7月31日発表・速報値)

「景気の潮目」か

0.5%の成長率はEU平均(0.2%)を上回るが、内需の鈍化が顕在化している。

GDPの約6割を占める民間最終消費支出は前期比0.3%増で、前期から0.1ポイント減速。前年の公務員賃金や年金支給額の引き上げ、規制強化前の新車の駆け込み購入といった消費押し上げ効果の剥落だけでなく、不況期の先送り需要が支えた消費ブームの一服感も鮮明だ。2019年上半期の住宅販売件数は、10半期ぶりに前年同期比マイナスに転じた。1~7月期の新車登録台数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同期から6.5%減少し、特に個人向けが12.5%減と落ち込んだ。消費鈍化の主因とされるのは雇用創出ペースの急減速で、新規雇用に伴う7月の社会保険加入者数の増加は1万5,513人と前年同月の増加人数の半分以下で、最低賃金引き上げの影響も一部あると指摘される。失業率も14%台で高止まりが続く。

政府最終消費支出も、各種選挙が終わったことから、0.2%増に減速した。特に懸念されるのが総固定資本形成の低迷(0.2%減)で、設備投資は世界経済の先行き不透明や自動車産業の低調(2019年6月20日記事参照)を受け2.6%減となった。

輸出は1.8%増と予想外に伸びており、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題の直接的影響は、ドイツなどよりも今のところ軽微だが、今後、ドイツや英国経済の低調による間接的影響は避けられないとの見方が一般的だ。

政治不安による影響も懸念

欧州委員会やIMFは2019年のスペインの経済成長率を2.3%、2020年は1.9%と予測している。マリアヘスス・モンテロ財務相も8月12日、2019年の政府見通しについて、「国際機関の予測並みの2.3%に、0.1ポイント上方修正する」意向を示したが、このまま政治的膠着(こうちゃく)が続けば、経済成長の足かせとなると述べた。

ペドロ・サンチェス首相による政権協定交渉(2019年7月26日記事参照)は難航し続けており、野党との交渉はバカンスシーズン後の9月初旬に再開予定だ。首相は急進左派ポデモス党との連立に引き続き消極的で、閣僚ポストを要求する同党との溝は深い。10月はカタルーニャ独立派に対する判決も予定され、国政は緊張感を増す。

なお、社会労働党(PSOE)政権は暫定政権のため、2020年予算法の手続きを行う権限がなく、秋に政権が正式に成立しなければ、国家予算が2年延長される異例の事態となる。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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