日本とアルゼンチンが租税条約に署名

(アルゼンチン、日本)

ブエノスアイレス発

2019年07月08日

日本政府は6月27日、アルゼンチン政府との間で、「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税および租税回避の防止のための日本国とアルゼンチン共和国との間の条約」〔日・アルゼンチン租税条約(和文条文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)英文条文PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))〕の署名を大阪で行った。それぞれの国内手続きに従って承認された後、承認通知の公文交換から30日目に発効する。

日本とアルゼンチンは2018年1月10日に租税条約締結へ向けた交渉を開始し、同年12月に実質合意に至った。条約では主に、(1)事業利得に対する課税、(2)投資所得に対する課税について定められた。

事業利得については、進出先国における企業の恒久的施設(PE:Permanent Establishment)に帰属する利得に対してのみ課税される。なお、親会社の従業員が進出先国の子会社に赴き、一定期間を超えて技術支援を行うなどのサービスPEによる利得も課税対象となる。投資所得については、配当、利子、使用料について源泉地国での課税の上限が設けられ、または課税が免除される(表参照)。

表 投資所得に対する課税上限

日本とアルゼンチンの間では、2015年12月のマウリシオ・マクリ政権発足後、4年連続で首脳の往来が実現している。2018年には外交関係樹立120周年を迎え、2国間関係はこれまでになく強化されている。租税条約の締結により、両国間の投資・経済交流が一層活発となることが期待される。

(高橋栞里)

(アルゼンチン、日本)

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