2018年は半数以上の自動車メーカーが平均燃費基準未達成

(中国)

広州発

2019年07月30日

中国工業・情報化部は7月2日、2018年の乗用車企業の平均燃料消費量・新エネルギー自動車ポイント(クレジット)状況を公表した。

2018年から導入された平均燃料消費量ポイント(注1)について、企業全体で基準値をクリアできたのは、141社中66社にとどまり、75社についてマイナスポイントが発生している。プラスポイントが最も多かったのは上海汽車集団(128万871ポイント)、マイナスポイントの最下位は上海通用五菱汽車(35万4,597ポイント)だった(表1、2参照)。

表1 2018年乗用車企業平均燃料消費量プラスポイント上位5社
表2 2018年乗用車企業平均燃料消費量マイナスポイント下位5社

燃料消費量マイナスポイントを有する企業は、同プラスポイントか新エネルギー車プラスポイント(注2)の利用などにより相殺する必要がある。

2018年に中国では141社が乗用車2,313万9,100台を生産(新エネルギー車を含む。輸入を含み、輸出を除く)した。平均燃料消費量は100キロ当たり5.8リットルで、燃料消費量プラスポイントは全体で992万9,900ポイント、同マイナスポイントは295万1,300ポイントとなった。自動車業界全体ではプラスポイント超であるため、企業間のポイントの取引を通じたマイナスポイントを解消することも可能だ。

また、新エネルギー車を生産することで得られる、新エネルギー車プラスポイントは全体で403万5,300ポイントだった。

(注1)中国では2017年9月に発表された「乗用車企業平均燃料消費量・新エネルギー自動車ポイント並行管理弁法」により、ガソリン車など従来型エネルギー乗用車を生産・輸入した場合には、燃費基準の達成(未達)状況に応じて平均燃料消費量プラス(マイナス)ポイントが発生する。マイナスポイントはプラスポイントもしくは新エネルギー車プラスポイントの獲得・譲渡・購入などにより相殺する必要がある。

(注2)電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(PHV)を生産した場合、航続距離などに応じて新エネルギー車プラスポイントを取得できる。2019年からは従来型エネルギー乗用車を製造・輸入した場合、マイナスポイントが課され、プラスポイントを用いて相殺する必要がある。

(河野円洋)

(中国)

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