IMF、シンガポールの金融分野の管理体制を「世界最高水準」と評価

(シンガポール)

シンガポール発

2019年07月26日

シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)は7月16日、IMFが実施した金融分野評価プログラム(Financial Sector Assessment Programme:FSAP)で、シンガポールの金融分野の安定性評価が「世界最高水準」と評価されたことを発表した。

FSAPは、マクロ経済のリスクに対する(1)安定性、(2)金融監督・規制、(3)危機管理の3つの項目で構成され、シンガポールの評価の要旨は次のとおりだった。

  • 金融機関が対象の大規模な世界金融危機を想定したストレステスト(健全性審査)において、シンガポールの金融システムは安定性があると示された。
  • 金融機関に対するMASの危機管理、問題解決体制は強固だ。
  • MASの電子商取引支払いシステム(MEPS+、注)の運営体制は国際水準に適合している。
  • MASの金融政策は、財政安定性への脅威に対応する能力がある。
  • フィンテック分野の規制およびその監督では、MASは金融イノベーションの促進と金融安定保持の両バランスを保っている。

なお、報告書の詳細はIMFのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認ができる。

MASのラビ・メノン長官は「健全、安定的、かつ統率された金融センターとしてのシンガポールの位置付けを再確認できたことは喜ばしい」と述べた。

1999年に開始したFSAPは、5年に一度の頻度で実施され、対象国である29カ国・地域の金融分野の評価が公表される。シンガポールが対象となるのは、今回が3回目。

(注)MEPS+(MAS Electronic Payments System)は、シンガポール・ドルでの銀行間資金取引やシンガポール国債などの決済に使用される支払いシステム。

(安野亮太)

(シンガポール)

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