日・マレーシア経済界がインダストリー4.0やデジタル経済での協力を協議

(マレーシア)

クアラルンプール発

2019年07月12日

日本マレーシア経済協議会(JAMECA)とマレーシア日本経済協議会(MAJECA)は7月1日、クアラルンプールで37回目となる年次合同会議を開催した。同会議は「革新的技術分野での日本・マレーシア間の貿易投資拡大」をテーマに、3回にわたり全体会議が行われ、(1)スマートマニュファクチャリングにおける日本とマレーシアの協働(第4次産業革命)、(2)革新的技術への投資コラボレーション、(3)デジタル経済によるビジネス展開についてプレゼンテーションと討論が行われた。

インダストリー4.0導入事例などを日系企業が紹介

第1回全体会議は、5月2日に開始した「マレーシア・日本スマートマニュファクチャリングプラットフォーム」のプログラムとの共催として実施した。同プラットフォームは、インダストリー4.0のブループリント「Industry4WRD」を受け、マレーシア標準工業研究所(SIRIM)、マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア国際貿易産業省(MITI)、在マレーシア日本大使館、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)、ジェトロが、地場中小企業の生産性向上、スマートマニュファクチャリング化の実現を目指す。

具体的には、マレーシア国内でセミナーを開催し、日本企業の生産技術やマネジメント技術、スマートマニュファクチャリングの導入事例などを紹介するほか、地場中小企業の日本企業のソリューション導入による成功事例の創出およびビジネスマッチングを行う計画だ。第1回全体会議では、三菱電機、KDDIがスマートマニュファクチャリングに必要なインダストリー4.0技術の概念や自社のソリューションの導入事例について講演を行った。

デジタル経済での両国間のさらなる協力に期待

また、マハティール首相は基調講演において、2018年11月に開催された前回の会議以降、マレーシア政府が財政の再建、法の支配にのっとったビジネスフレンドリーな投資環境整備や、汚職撲滅に取り組んできたことを強調したほか、インダストリー4.0の導入やデジタル経済における両国間のより緊密な協力に期待を寄せた。

質疑応答では、マレーシアの教育制度改革、第3国民車や環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)に関する進捗状況について質問が出た。

本合同会議では、両国から約200人が参加した。JAMECAおよびMAJECAは1977年に設立され、貿易・投資の活性化、両国の経済協力の課題などを議論する合同会議をほぼ毎年、日本とマレーシアで交互に開催してきた。

写真 参加者からの質疑を受けるマハティール首相(中央)(ジェトロ撮影)

参加者からの質疑を受けるマハティール首相(中央)(ジェトロ撮影)

(田中麻理)

(マレーシア)

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